犬の予防診療

自然が多く残る千葉県の北総では、都心以上にワンちゃんの病気予防は、気を付ける必要があり、小さな家族が散歩を楽しみ、いつまでも健やかに過ごせるよう、防げる病気はしっかり予防しましょう。
犬種や年齢、生活環境に合わせた予防プログラムをアドバイスさせて頂きます。

犬の予防接種
狂犬病ワクチン
狂犬病は人と動物の双方に感染する病気で、一度発症するとほぼ100%致命的です。日本では1957年以降、発生は確認されていませんが、2006年11月にフィリピンで犬に咬まれた男性が帰国後に発症し、命を落としています。
現在でも世界中で狂犬病は広がり続けており、日本への侵入リスクが完全にゼロとは言えません。そのため、生後91日を過ぎたワンちゃんには、年に1回の狂犬病ワクチン接種が法律で義務づけられています。

犬の混合ワクチン
初年度は1年に3回、その後は年に1回の接種を行うことで、感染症を予防します。当院では、10種混合ワクチンをご用意しており、ワンちゃんが安心して健康な毎日を送れるようサポートしています。
混合ワクチンの接種は義務ではありませんが、大切なワンちゃんと飼い主様が末永く健康に過ごせるよう、当院では年に1回の接種をおすすめしています。
子犬のワクチンスケジュール
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1回目:生後6~8週齢頃に接種します。
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2回目:1回目の接種から3~4週間後に行います。
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3回目:生後6週齢以前に接種を始めた場合は、3回目の接種が必要です。
成犬のワクチンスケジュール
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生活環境や体調に合わせて、年に1回の追加接種を行い、免疫力を維持します。
ワクチンで予防できる犬の病気
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ジステンバー
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パルボウイルス感染症
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犬伝染性肝炎
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パラインフルエンザ
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コロナウィルス
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レプトスピラ3種
犬の口腔ケア
犬や猫は歯垢がたまりやすく、それによって口内で細菌が繁殖しやすい動物です。歯垢は、口の中に残った食べカスや細菌が原因で歯に付着します。そのまま放置すると、歯垢は硬くなり歯石へと変化します。
歯石が付いた歯の表面は凹凸が多くなるため、新たな歯垢がさらに付着しやすくなり、悪循環が起こります。この状態が続くと歯肉に炎症が生じ、歯肉炎、歯周炎、さらには歯周病へと進行してしまいます。

犬のお口の主な病気
歯周病
歯垢に含まれる細菌が原因となり、歯肉が腫れる「歯肉炎」や、歯を支える歯周組織が破壊される「歯周炎」を引き起こす病気です。実際、大人のワンちゃんの多くが罹患しているとされています。
さらに、この問題は口内だけにとどまらず、鼻炎や呼吸器感染症、さらには心臓病や腎臓病の一因となる可能性も示唆されています。そのため、早めの予防や治療がとても大切です。
乳歯遺残
乳歯から永久歯への生え変わりがうまく行われず、乳歯が残っている場合には乳歯遺残(晩期残存乳歯)の可能性を考えます。抜けないまま放置すると永久歯の不正咬合を招き、異常な歯列による口内炎、歯肉炎、歯周炎を起こすため、抜歯をお勧めしています。
根尖膿瘍
歯周病が進行し、歯根部分が感染を起こすと膿が溜まる事があり、進行すると眼の下辺りが腫れてしまいます。軽度の腫れのこともありますし、大きく膨らんだり穴が開いて膿が出てくることもあります。
下顎骨折
歯周病が重度に進行し下顎骨が薄くなった結果、簡単な衝撃で骨折してしまうことがあります。適切な歯磨きや歯周ポケットの歯石除去をおこなうことが、歯周病を防ぐために一番大事なことです。