アレルギー科
allergology
アレルギーとは
人間の体には、細菌などの異物が侵入した際に炎症を起こし、それを排除しようとする「免疫」という仕組みがあります。しかし、アレルギーはこの免疫反応が過剰に働き、生体に不利益な症状を引き起こす状態を指します。花粉症や食物アレルギーは、花粉や食物を異物と認識し、排除しようとする結果として起こるのです。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が繰り返し発生する皮膚病で、多くの場合アレルギー体質が関与していますが、アレルギーが明確でない場合もあります。
アレルギーを引き起こす物質は「アレルゲン」と呼ばれ、年齢によって変化します。乳幼児期では卵、牛乳、小麦などの食物が主なアレルゲンですが、成長とともにこれらの影響は減少し、成人になるとハウスダストやダニ、ペット、花粉、カビなどが主な原因となります。
治療では、アレルゲンを特定し回避することが重要です。ただし、アトピー性皮膚炎はアレルギーだけが原因ではありません。湿疹は皮膚に外部からの刺激が加わり、それに対する防衛反応として炎症が起きることで発生すると考えられています。
アトピー性皮膚炎の治療について
アトピー性皮膚炎の治療では、スキンケア、かゆみのコントロール、アレルゲン除去が基本となります。
スキンケアは季節に応じて行うことが大切で、夏は汗や汚れ、冬は乾燥への対策が必要です。入浴方法や保湿剤の使い方については、具体的なアドバイスをさせていただきます。
かゆみは症状悪化の大きな要因であり、掻いたりこすったりすることで皮膚が傷つき、アレルゲンや刺激物が侵入しやすくなります。
そのため、外用薬に加えて、かゆみや炎症を抑える抗アレルギー剤の内服薬を用いて掻破を防ぎます。アレルゲン除去は、本当に原因となるものに限定して行い、食物アレルギーの場合は内服薬で腸からのアレルゲン吸収を抑える治療も可能です。
花粉症
花粉症は植物の花粉が原因で発症するアレルギー症状で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといったアレルギー性鼻炎や、目のかゆみ、流涙を伴うアレルギー性結膜炎が主な症状です。まれに喘息やアトピー症状が併発することもあります。花 粉症の治療は、他の鼻や目のアレルギー治療と基本的に同じですが、花粉に急激にさらされて起きる強い急性症状への対応が必要です。治療を症状に合わせて適切に行えば、多くの患者様が花粉飛散期を快適に過ごせることがわかっています。また、眠くならない薬もあるため、仕事や日常生活に影響を与えずに治療可能です。一般的には、花粉飛散開始の2週間前から治療を始めることが推奨されます。アレルギー治療では、原因物質の特定や薬に対する反応を診断し、適切な治療方法を選択することが重要であり、問診を通じたコミュニケーションが大切です。