
高血圧・糖尿病・脂質異常症

Diabetes
糖尿病
<糖尿病とは>
糖尿病は1型(体質)と2型(生活習慣)に分かれ、ほとんどは2型です。当院でも主に2型を診療しています。初期は自覚症状が少なく、のどの渇き、頻尿、体重減少などが現れた時には高血糖が進んでいることもあります。高血糖が続くと血管障害を起こし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。診断は空腹時血糖126mg/dl以上、HbA1c6.5%以上などを基準とします。
<糖尿病の合併症>
糖尿病が進行すると、小血管(網膜・腎臓・神経)や大血管(脳・心臓・下肢)に障害が生じ、臓器の機能が低下します。治療の目標は、血糖・体重・血圧・脂質を良好に保ち、合併症や動脈硬化を防ぎ、健康な人と同様に生活できることです。適切な食事療法などで、合併症の予防・進行抑制が可能です。
<検査>
必要に応じて、血液検査、糖負荷検査、尿検査、心電図、動脈硬化検査、心エコー・腹部エコー・頸動脈エコーなどを随時実施し、予防・早期発見・治療に役立てています。
<治療>
血糖コントロールの目標は、年齢や罹病期間、合併症の有無、低血糖リスク、サポート体制などを考慮して個別に設定し、治療を進めます。治療は、食事・運動・薬物療法の3本柱で行います。
当院は、糖尿病治療の質の向上と療養指導の充実を図るため、糖尿病協会登録医として診療を行っております。
必要に応じて、近隣の医療機関と連携しながら治療を進めてまいります。
また、すでに病院に通院されている方で病状が安定している場合も、連携のもと当院での治療が可能です。お気軽にご相談ください。

High Blood Pressure
高血圧
<高血圧とは>
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管にかける圧力のことです。血液量や血管の弾力性、末梢血管の抵抗などで決まり、運動・食事・喫煙・気温などにより日々変動します。
一般に、最高血圧140mmHg以上または最低血圧90mmHg以上が高血圧とされます。多くは生活習慣や遺伝が原因の「本態性高血圧」ですが、他の病気が原因の「二次性高血圧」もあります。若年発症や重度の高血圧、薬が効きにくい場合は精密検査が必要です。
<高血圧症からおこる病気>
高血圧が続くと血管の弾力が失われ、硬くなったり、コレステロールなどが血管内にたまって内腔が 狭くなり、血流が悪くなります。これを「動脈硬化」といいます。動脈硬化が進行すると、脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症など、命にかかわる疾患を引き起こす可能性があります。
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心血管障害:心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞 など
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脳血管障害:脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血 など
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肝機能障害:腎硬化症、腎不全 など
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血管障害:大動脈瘤 など
<検査>
必要に応じて血液検査、心電図、動脈硬化検査、心エコー、腎臓エコー、頸動脈エコーなどを随時実施し、予防・早期発見・治療に役立てます。
<治療>
日常生活に注意を払うことは大きな意味を持ちます。
<血圧のはかり方>
高血圧のタイプにより薬の種類や服用時間が異なるため、自分の血圧パタ ーンを知ることが大切です。毎日、起床時と就寝前に安静状態で測定し、血圧手帳に記録しましょう。測定条件(姿勢・腕・時間など)を統一し、体調の変化時も記録すると診療に役立ちます。

Dyslipidemia
脂質異常症
<脂質異常症とは>
脂質異常症とは、LDLコレステロールや中性脂肪が高く、HDLコレステロールが低い状態です。これにより動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。動脈硬化は加齢だけでなく、高血圧や糖尿病などの危険因子によっても進みますが、治療により進行を抑えることが可能です。
通常は無症状ですが、家族性高コレステロール血症では腱の腫れや皮膚のしこり、黒目のふちの白い沈着が見られることがあります。中性脂肪が非常に高い場合、膵炎を起こし激しい腹痛や吐き気を伴うこともあります。
<検査>
必要に応じて随時、血液検査、心電図、動脈硬化検査、頸動脈エコー検査などを実施し、予防・早期発見・治療に活用します。
<治療>
甲状腺機能亢進症などの続発性脂質異常症は、まず基礎疾患を治療します。脂質異常症の治療は、大血管合併症の予防や再発防止が目的です。適切な薬物療法が効果的とされています。
食事療法では、適正カロリーの見直しや、LDLコレステロールが高い場合はコレステロール摂取を控え、中性脂肪が高い場合は甘いものや動物性脂肪、揚げ物、アルコールを控え、食物繊維をしっかり摂ることが大切です。
運動は週3日以上、1日30分のウォーキングがおすすめです。禁煙や生活習慣の改善とともに薬物療法を行います。