
リハビリテーション
理学療法・作業療法・言語聴覚療法を通じて、患者様の回復をしっかりと支援いたします!
リハビリの大切さ
「リハビリ」とは、ラテン語のre(再び)とhabilis(適した)を語源とし、「再び適した状態にすること」を意味します。病気やけが、高齢などにより心身の機能が低下し、これまでできていた動作や生活が困難になった方に対して、身体機能の回復や残された能力を活かし、新たな力を引き出すための支援を行います。安心して自宅や社会での生活を取り戻すための取り組みが、リハビリテーションです。
リハビリは、患者さんを中心に、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医療相談員・薬剤 師・介護職員・管理栄養士・放射線技師など多職種が連携し、それぞれの専門知識や情報を共有しながら支援を行います。病気や障害があっても、これまで暮らしてきた住み慣れた自宅や地域で、自分らしく生活を続けたいという一人ひとりの思いを大切にしながら、リハビリテーションを提供しています。
【リハビリ室】

リハビリ専門医の配置とスタッフの増員を行い、現在では20名を超えるリハビリ療法士が在籍しています。休日や病室でのベッドサイド訓練にも対応し、リハビリ体制のさらなる充実を図っています。リハビリ室は約240㎡の広さがあり、理学療法士・作業療法士が協力しながら、仕切りのない共有空間でリハビリを行っています。

リハビリ室には、作業療法の一環として制作された作品が展示されています。はり絵や折り紙で作られたごてんまりなど、見る人の「やってみたい」「作ってみたい」という気持ちを引き出す工夫が施されています。
理学療法
当院では、病気・けが・寝たきりなどで身体が不自由になった方に対し、理学療法を通じて基本的な身体機能の回復や維持を支援しています。さらに、今ある機能をできる限り活かし、立ち上がりや歩行などの基本動作や日常生活の動作能力の向上を目指して取り組んでいます 。
◆運動療法
関節の可動域を広げる訓練をはじめ、筋力強化、バランス感覚の向上を目的としたトレーニングや、日常生活に必要な各種動作の練習を行っています。

◆階段昇降練習
一人ひとりの住環境に応じて、階段の上り下りや段差の越え方などの動作指導を行っています。
日常生活で想定されるさまざまな高さの段差に対応できるよう、実践的な練習を取り入れています。

◆ベッドサイドでのリハビリテーション
安静が必要な場合でも、廃用症候群の予防を目的に、ベッドサイドでの運動療法を積極的に行っています

◆歩行訓練
歩行という移動手段を獲得することを目標に、自力での歩行が難しい段階から練習を開始します。障害の程度に応じて、装具・義肢・杖などの補助具を活用しながら、目標に向けた段階的な歩行練習を行っています。

◆床動作
「畳に座りたい」「布団で寝たい」といった床での生活を希望される方に向けて、床への座位や床からの立ち上がり動作の練習を行い、実現に向けたサポートをしています。

作業療法
日常生活に必要な基本的な動作や、少し応用のきいた動き、また社会の中で安心して過ごすための適応力など、それぞれの力が少しずつ伸びていくように、環境の工夫や社会資源の活用方法についても、やさしく丁寧にアドバイスさせていただきます。
◆機能訓練
麻痺などの後遺症で動かしにくくなった腕や手が、日常生活の中で少しでも使えるよう、作業活動を通じてサポートしていきます。
◆生活関連動作(IADL)訓練
その方の状態やニーズに合わせて、退院後の生活環境を踏まえながら、掃除・洗濯・買い物・調理などの生活動作を一緒に練習していきます。
◆退院前訪問指導
退院が近づいた際には、必要に応じてご自宅を訪問し、手すりの位置やスロープの設置など住宅改修のアドバイスや、福祉用具選びのサポートを行います。
◆日常生活動作(ADL)訓練
寝起きや着替え、トイレ、食事、入浴など、日常生活の中で欠かせない基本動作を練習し、安全で無理のない動き方を身につけていきます。
◆介助指導
ご家族が安心してお世話できるよう、無理のない介助の仕方を丁寧にお伝えします。
作業
occupation
仕事
work
日常生活の諸動作・家事仕事
daily living tasks
遊び
play








言語聴覚療法
ことばによるやりとりや飲み込みに困りごとのある方が、機能を取り戻し社会へ戻っていけるよう、自分らしく過ごすためのお手伝いをするのが言語聴覚士の役割です。
◆ことばの遅れ
知的発達の遅れや対人関係の障害、脳の損傷などが原因で言葉の発達がゆっくりな子どもに対し、言語聴覚士は「ことばや伝えることへの興味を引き出す」「語彙や文法、文字の理解を促す」などの支援を通して、ことばの力を育てていきます。
◆食べることの障害
摂食・嚥下障害に対しては、咀嚼や飲み込みに必要な器官の動きを訓練し、飲み込む力を改善するためのトレーニングを行います。
◆成人の言語障害
「成人の言語障害」には、失語症、構音障害、高次脳機能障害(記憶障害や認知症によるもの)など、さまざまなコミュニケーションの困難が含まれます。言語聴覚士は、それぞれの症状 や原因を見極め、一人ひとりに合った訓練プログラムを作成して支援します。


訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションは、利用者の生活の場に直接訪問し、日常生活の自立や家庭内、さらには社会参加の向上を目指すことが目的です。利用者の障害や住環境を把握し、自宅での生活の中で機能の維持・改善を図りながら、入院中の医療機関では難しい実際の生活場面に即した能力面への直接的 な支援を行います。利用者とそのご家族が抱える日常生活の課題に共に取り組みます。
当院から自宅へ退院され、訪問リハビリテーションを利用される場合、スタッフが入院中から利用者様の状態を把握し、入院中のリハビリ担当者と連携を取りながら、途切れのないリハビリテーションを提供できます。