Q&A


矯正治療に関するQ&A
Q1.
矯正治療の適応範囲を教えてください。
A1.
矯正治療の対象は、出っ歯、受け口、八重歯、乱杭歯、隙間のある歯並びなど、噛み合わせの悪いケース全般です。治療の時期は症状によって異なり、乳歯のあるうちがよい場合や、永久歯が揃ってからが適する場合もあります。大人の場合、差し歯を作りやすくするための部分的な矯正も可能です。適切なタイミングを逃さないよう、早めの相談をおすすめします。
Q2.
歯並びが悪いままだと、どのような影響がありますか?
A2.
歯並びが悪いと歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病の原因となり、結果的に歯の寿命を縮める可能性があります。また、噛み合わせが悪いと食べ物を十分に噛み砕けず、消化器官への負担が大きくなります。
さらに、歯並びの乱れには悪い癖が関係していることも多く、放置すると噛み合わせがさらに悪化し、顎の発育にも影響を及ぼすことがあります。飲み込み方の異常、口呼吸、発音の問題、噛み方の違和感などがある場合は、早めの相談をおすすめします。矯正治療と併せて、悪い癖の改善が必要になることもあります。
Q3.
矯正治療にはどのような方法がありますか?
A3.
矯正治療には、取り外し可能な「可撤式装置」と、口の中に固定する「固定式装置」があります。可撤式装置には、口の中で使用するものと、口の外から装着するものがあります。
固定式装置は効果が高く、幅広い症例に対応できるため一般的に使用されます。通常は歯の外側に装着しますが、目立ちにくいタイプやカラフルなデザインのものもあります。また、歯の内側(舌側)に装着する方法も選択可能です。
治療方法は歯並びの状態を診断した上で決定しますが、ご希望がある場合は事前にご相談ください。
Q4.
矯正治療中の食事について
A4.
矯正装置をつけた直後は、歯が浮いたような感覚があり、噛むと痛みを感じることがあります。しかし、3~4日ほどで痛みは和らぎ、1週間もすれば口の中も慣れてきます。
矯正中は、装置を壊す可能性のあるイカやタコなどの硬い食べ物や、虫歯のリスクを高める砂糖を多く含む食品は控えるようにしましょう。
Q5
矯正装置をつけたまま歯磨きはできますか?
A5.
矯正装置を装着すると歯磨きが難しくなり、食べかすが歯の表面や隙間に溜まりやすくなります。当院では、治療中の正しい歯磨き方法を丁寧に指導いたします。特にお子さまの場合は、ご家族の方にも磨き方を覚えていただき、ご家庭でのケアをお願いしています。
また、患者さまそれぞれの虫歯リスクを確認し、来院時には磨き残しのチェックを行います。必要に応じて、専用機器による研磨やフッ素塗布、歯のクリーニングも実施しております。
Q6.
矯正治療に年齢制限はありますか?適した時期はいつですか?
A6.
矯正治療は子どもだけのものと思われがちですが、大人になってからでも全体的な治療が可能です。そのため、基本的に年齢制限はありません。
治療の適した時期は、歯並びの状態や原因によって異なります。乳歯の時期に治療が必要なケースもあれば、永久歯が生え揃ってからの方が短期間で効果的に治療できる場合もあります。また、大人の方では、インプラントや差し歯、ブリッジの準備として、倒れた歯を起こしたり歯の隙間を調整する部分的な矯正を行うこともあります。
そのため、適齢期を一概に決めることはできませんが、歯並びや噛み合わせに気づいたら、できるだけ早めに診断を受けることをおすすめします。
Q7.
矯正治療中に痛みや不快感はありますか?
A7.
歯を動かすためにあごの骨に力を加えることに対して痛みを感じることを心配される方もいらっしゃいますが、実際には弱い力で少しずつ動かしていくため、思ったほど痛みはありません。治療開始時には「歯が浮いた感じ」や「固い食べ物が食べにくい」と感じることもありますが、通常は1週間ほどで慣れてきます。
もし強い痛みを感じる場合は、無理せずにご連絡いただき、診察を受けてください。
Q8.
矯正治療の通院間隔はどのくらいですか?
A8.
治療開始前の2~3回は、1~2週間に1回程度の頻度で通院していただきま すが、治療が進み、装置が入ると通常は月に1回程度の通院になります。なお、通院は予約制となっています。
Q9.
子供の指しゃぶりは歯並びに悪影響がありますか?
A9.
幼児の指しゃぶりは本能的なものともいえますが、5~6歳になっても治らない場合、上あごの歯が前に押し出されて出っ歯になったり、上下の前歯に隙間ができたりすることがあります。また、飲み込む際に舌を突き出す異常嚥下癖や、口を常に開けて口呼吸をすることも歯並びに悪影響を与える原因となります。これらの癖や症状が見られる場合は、早期に改善のための訓練が必要です。ぜひ一度ご相談ください。
Q10.
子供が睡眠中に歯ぎしりをしますが、噛み合わせに悪影響を与えるのでしょうか?
A10.
歯ぎしりは、噛み合わせの悪さや眠りが浅い時に、昼間の筋肉の緊張や脳の興奮が残っていることが原因で起こるとされています。現時点では、歯並びや噛み合わせを直接悪化させる大きな原因とは考えられていませんが、歯ぎしりはあご周囲の筋肉にこわばりを生じさせ、顎関節症を引き起こすことがあります。
激しい歯ぎしりがある場合、就寝時に歯をガードするナイトガード装置を作成することがあります。また、いびきがひどい場合は、睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の診断を受け、スリープスプリント装置を使用することもあります。
大人の場合、歯ぎしりに加えて食いしばりや長時間同じ姿勢でのコンピュータ作業やゲームが原因となり、顎関節症を引き起こすことがあります。歯ぎしりが原因で口が開かない、または開けるとあごが痛いなどの症状があれば、ご相談ください。必要に応じて、あご関節の音解析や運動解析、筋肉のバランス、噛み合わせの強さのバランスなどを検査します。
Q11.
矯正治療中に転勤が決まった場合、どうすればよいですか?
A11.
転勤が決まった場合、転居先付近の矯正歯科医や大学病院の矯正科をご紹介します。また、歯の模型、X線写真、治療記録などの資料や紹介状をお渡ししますので、できるだけ早めにご相談ください。
矯正治療に関して多くの患者様からいただく質問をまとめました。質問と回答をご確認いただき、治療に関する疑問点を解消してください。もし、こちらに記載のないご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。