イチオシ情報 「生徒たちの声」●毎回運針から始まるお稽古が好き。●1対1で教われることが一番の魅力。●縫っていると集中できて気持いい。●自分が縫い上げた着物を身にまとう時が最高!●和気藹々で楽しい教室。自分で縫った着物は大切に着たい。●針など持ったこともない私に先生は一から手を取り教えてくださいました。●習い始めて3年、毎回楽しみで時間をやりくりして通っています。
詳細情報 ■村林流和裁学苑について 創設者 村林益子(むらばやし ますこ) 1925年(大正14)12月22日、東京生れ。代々呉服に携わる専門職の家に生まれる。 1951年(昭和26)東京都品川区に村林流和裁学苑を開設。洋裁で学んだことも活かしながら、着やすく形の良いきものを研究。弟子育成を生涯の目標と決心するまで、伊勢丹、銀座きしや呉服店などの仕立屋として研鑽を積む。 また各地から招かれて講習会を開き、祖父、父母、小宮山喜代悦先生ら名人の教えに独自の工夫を加えて「村林流和裁」の普及に努めた。 テレビ出演、雑誌連載、「日本のきものを守る会」主宰など、幅広い活動を通じて専門家の合理的な和裁技法にとどまらず、仕立てる者の心構え、きものを身につける際の心遣い、反物や道具に対する思いやりまで、細やかな心遣いを説いた。 1990年(平成2)、執筆に9年を要した渾身の大著『図説きものの仕立方』を紫紅社より刊行。今や仕立職の貴重なよりどころとなっている。 2001年(平成13)東京都優秀技能者知事賞を受賞。 晩年は文化財の小袖や古刹の歴史的式典の為の縫製にも携わった。丸紅所蔵「淀君の小袖」復元プロジェクト(1999)、東大寺大仏開眼1250年慶讃法要における管長の「遠山の袈裟」及び法衣(2002)、薬師寺の伎楽装束(1992〜2004)など。 2013年(平成25)4月17日没 享年87 ▼村林益子公式ホームページ http://www.murabayashi-net.jp/home-f.htm 現学苑長 村林千恵(むらばやし ちえ) 1953年 千葉県生れ。大妻女子短期大学家政科卒業後ほどなく村林家長男一彦に嫁ぐことが決まると即座に益子に招かれ、和裁の修行が始まる。 学苑の教師としても、仕立屋としても、益子の助手をつとめながら実践のなかで技術を体得した。 1989年(平成1)東京都各種学校和裁教員検定 認定。 淀君の小袖復元など文化財関連の仕事にも全面的に関わって益子を支えた。 2011年(平成23)病を得た益子に代わり学苑長に就任。義母の教えを忠実に守りながら、和裁を志す人が一人でも多くなることを願い、寺子屋形式の個人指導に奮闘している。 「生徒たちの声」続き ●自分の体型に合わせて仕立てた着物でお茶会や結婚式に出席できたのは嬉しいことでした。●マイサイズの着物で着付時間短縮。 ●無心に集中して運針する時間も着物についてお喋りする時間もとても楽しい。●いつも明るい声で受け入れて丁寧にご指導くださる先生に感謝。 ●和裁って奥が深い。ゆるませたりつらしたり、加減がすごく複雑だなーって思う。●通い始めたばかりですが、よい雰囲気で楽しく続けていかれそう。 ●本物の仕立てを学べること、染めや織りの色の美しさを身近に感じられることがうれしい。●より良い柄の配置で仕立てるよう厳しく仕込まれたこと感謝しています。 村林(益子)先生への恋文(抜粋) 女優 山口智子 先生はほんのわずかの時間で、私の体の寸法や特徴を見事に見抜かれて、お端折りなしでさらりと羽織れる対丈(ついたけ)の浴衣を、ぴたりと完璧に仕立ててくださいました。 袖を通した途端、愛に包まれるとはこういうことだと心が震えました。 衿を合わせるだけで体の凸凹にぴたりと馴染む仕立ては、纏う者に心地よい緊張感も与えてくれます。騒がしい襞や皺がひとつも存在せず、見えないところにこそ心を込めて、一針一針手をかけられた温もりに満ちていました。 「袖を長くしといたの。優雅でしょ?」 先生のおっしゃる通り、お端折りのない「ついたけ」の中性的な魅力に、雅な丸みのある袖が揺れる様は、まるで屏風絵から抜け出てきたよう。(月刊「ちくま」2007年10月号より)