東京都西東京市にある真言宗智山派の寺院

観音堂

観音堂には如意輪観音菩薩を奉祀し古来より保谷の観音様と皆様に親しまれている。当寺は明治二十五年（1892）12月31日の火災により、不幸にして本尊不動明王を始め本堂庫裏共々古記録文書等は、すべて灰燼に帰してしまった。しかし幸いにも境内東南の隅に離れて建てられていた観音堂は消失をまぬがれ、大正二年現在地に移築された。

鐘楼堂

当寺鐘楼堂の楼は、安永七年（1778）に建立され、大梵鐘には、文化12年（1815）乙亥9月28日、鋳物師武州八王子横川住、加藤勘兵ヱ尉藤原包教、と刻されていた。しかし、この鐘は昭和17年に太平洋戦争のために徴発受け供出されたが、昭和30年11月20日に戦没者慰霊と万国永遠の平和を祈念して復元再鋳し完成に至った。

石仏群

江戸時代に街道の路傍に建立された石仏が数基境内に安置されている。旧上保谷村の富士街道などに建てられていた石仏が、市街化により原位置に立ち続けることが困難になり、如意輪寺の境内に集められたものである。ほとんどが1700年代に建立されたもので、庚申塔など民間信仰を伝える文化財である。