相続税対策の安易な養子縁組は思わぬトラブルの元に!
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弁護士が教える相続トラブル防止のポイント
相続税対策には養子縁組をするとよい……
そんな話を聞いたことはありませんか?
しかし、たんなる税金対策としての
養子縁組はおすすめできません。

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Q&A

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養子縁組がなぜ相続税対策になるの?

インターネットなどでは、「養子縁組をすると相続税対策になる」といった情報がよく紹介されています。これは、養子縁組をして法定相続人の数を増やすことで、相続税の基礎控除額や生命保険の非課税枠を増やしたり、相続税の税率を下げたりすることなどがおもな目的です。

たとえば、相続税の基礎控除額は、次の計算式で算出されます。

 3,000万円+600万円×法定相続人の数

実子が4人いた場合、そのままであれば、5,400万円が相続税の計算から控除できます。これに、養子を1人プラスして5人とした場合、基礎控除額は6,000万円に増えます。このように、養子縁組をして相続人の数を増やすことで、多少なりとも節税につなげようというわけです。

すると当然、何人も養子を増やして相続税の負担を減らそうとするケースが出てきてしまうため、相続税を計算する際、相続人として認められる基本的な人数には制限が設けられています。

◎養子を相続税の計算に含めることができる人数

 ・被相続人(亡くなった方)に実子がいる場合……1人まで
 ・被相続人に実子がいない場合……2人まで

なお、人数制限には引っかからなくても、養子を法定相続人の数に含めることで、相続税の負担を不当に軽減する効果が認められる場合には、養子を計算に含められない可能性があります。つまり、養子を取ることと、その養子を法定相続分に含められるかどうかはまったくの別問題。不当かどうかは、税務署が総合的に判断します。

相続税の計算にあたって、相続人と認められる養子の人数には制限があります今すぐメールで問い合わせる→

そもそも養子とは?

「養子」とは、血のつながりではなく、自分たちの意思または家庭裁判所の審判によって、法律上の新たな親子関係を作り出す制度。法律上の夫婦関係を作るのが婚姻であるように、「縁組」によって関係を作ります。養子には、普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があり、それぞれ成立するための要件が異なります。

(1)普通養子縁組

養親(養子縁組によって親となる者)と養子の双方に養子縁組をする意思がある場合に、法的な要件を満たし、必要書類を役所等に提出することで成立。未成年を養子にするには原則として家庭裁判所の許可が必要であることや、自分よりも年下の人の養子にはなれないなどの制約がある。普通養子縁組の場合、実の親との親子関係も継続する。

(2)特別養子縁組

実の父母による養育が著しく困難な場合など、子どもの福祉のために特に必要があると認められ、実の父母の同意がある場合に、家庭裁判所の審判によって成立。養子となるのは、原則として6歳未満にかぎられる。特別養子縁組が成立すると、実の親との親子関係は消滅する。

 

普通養子縁組では、養親との親子関係が生じても、実の親との親子関係は消滅しませんので、養親の法定相続人の1人であるとともに、実親の法定相続人の1人でもあります。

一方、特別養子縁組では、実の親とは親子関係がなくなりますから、養親が亡くなった場合に養親の相続人となるのみです。いずれも法定相続分において、実子と養子の差はありません。

養子縁組を成立させるには、さまざまな要件があります。権利とともに義務も発生するため、慎重な検討が必要です今すぐメールで問い合わせる→

相続税対策で養子縁組をする問題点は?

そもそも養子縁組という制度は、相続税とは関係のないものです。制度の本質をきちんと理解しないまま、相続税対策になるからと安易な養子縁組をすれば、いろいろな問題が生ずる可能性があり、法律家という立場からはおすすめできません。

◎実子とトラブルの可能性

普通養子縁組は、基本的に当人同士の意思があれば成立するため、実子がその存在を知らないことがあります。実際に、いざ相続が発生して初めて養子の存在を知るというケースも。養子は実子と同じ法定相続分を持つため、実子にとってみれば、突然現れた養子の存在で、自分の相続分が減ることになるわけです。そのため、遺産分割がまとまらない可能性も出てきます。

◎養親に対する扶養義務

普通養子は養親の財産も、実の親の財産も、どちらも相続する権利がある一方、養親に対しても実の親に対しても、扶養義務が生じます。たんに財産をもらえるだけでなく、たとえば寝たきりで働けずに収入がなくなった、といった場合でも知らん顔はできないのです。そうした実子と同等の義務をきちんと果たせるかどうかも忘れずに考える必要があります。

◎養子縁組の解消は困難

たとえば養親と養子の関係がうまくいかず、「こんな養子を取るはずじゃなかった」と養子縁組を解消したいケースが出てきても、原則として、お互いが納得して合意しなければ解消できません。実の親子関係を消滅させる特別養子縁組の場合はさらに難しく、家庭裁判所の審判を受けることになります。後々、何か問題が発生する可能性がないか、慎重に考えておく必要があるのです。

もちろん、子どもがいないので養子に家を継がせたい、養子として責任を持って養親の面倒を見たい、というように、養子縁組を必要とするケースもあるでしょう。その場合でも、養子縁組という制度が相続税対策のためにあるわけではないということをしっかりと理解したうえで、当人やその家族も含めた話し合いの場を設けるなどしながら、慎重に検討してください。

相続税対策のための「安易な」養子縁組には問題があります。不安な場合は問い合わせましょう今すぐメールで問い合わせる→

執筆者顔写真
在籍事務所 奔流(弁護士法人)
事務所所在地 〒812-0054 福岡県福岡市東区馬出2-1-22
対応資格 弁護士※事務所在籍者の保有資格

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