トイレの水漏れの原因と自分で直せる修理方法|修理費用相場

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トイレの水漏れの原因と自分で直せる修理方法|修理費用相場

トイレの水漏れは、比較的多い水回りのトラブルです。特に、2階以上のトイレでは下階への影響も考えられるので、早急な処置が求められます。水漏れが起きた時は、被害を広げてしまわないように正しい対処を行いましょう。

この記事では、トイレが水漏れした時にまず行うべきことと、自分でできる修理方法、業者に修理を依頼する時の注意点を解説します。

トイレが水漏れした時にまず最初に行うべき5つのこと

トイレが水漏れした時にまず最初に行うべき5つのこと

トイレの水漏れが発生した時、適切に修理するためには原因を突き止める必要があります。

被害が広がらないように対処してから、水漏れしている箇所や原因を調べましょう。まず最初に行うべき5つのことを紹介します。

止水栓を閉める

トイレの水漏れに気付いたら、まずは止水栓を閉めましょう。

止水栓とは、給水管の途中に設けられている開閉器具で、水量を調節したり、水を止めたりできます。

止水栓がどこにあるかは、トイレによって異なるので注意が必要です。壁や床に設置されている場合に加え、タンクやトイレ本体で見えにくい箇所に取り付けられているケースもあるため、止水栓の場所はあらかじめチェックして知っておくとよいでしょう。

止水栓の形も、トイレによって違います。ハンドルがある場合は、手で時計回りに回せば閉めることができます。ハンドルがなく、直線の溝があるタイプの止水栓は、マイナスドライバーを使って時計回りに回して閉めて下さい。

電源をOFFにする

電気がコンセントから供給されている温水洗浄便座のトイレの場合は、電源コードを抜いて電源をOFFにしましょう。この時、濡れた手で電源コードに触れてしまうと、感電や故障を引き起こす恐れがあります。電源コードは必ず作業前に抜くようにしてください。

また水漏れの対処中は、電源コードが濡れてしまわないように、コンセントに差し込むプラグの部分はビニール袋で覆っておきましょう。

水で濡れた箇所の掃除

トイレの水漏れで濡れた箇所は、新聞紙や雑巾などで拭き取り掃除します。水があふれ出てしまっている時は、バスタオルなどしっかり水を吸収できるもので広がらないようにしておきます。あふれている水が汚水の場合は、そのまま捨てることができるように、新聞紙や使い古した雑巾を使うと便利です。

便器の水を汲み取る

トイレの便器から水漏れしている様子が見られる場合は、便器内の水を汲み取ってください。修理までの暫定的な処置として、水漏れを防げる可能性が高いからです。水を汲み取るためには、ひしゃくや灯油ポンプを使うと便利ですが、ない場合は小さめのペットボトルをひしゃく代わりにするとよいでしょう。

水漏れしている箇所や原因を調べる

被害の拡大を防ぐ上記の対処を行ったら、水漏れしている箇所や原因を調べます。水を拭き取って乾いた状態にしても、また濡れてくる箇所があれば、その付近から水漏れしていることが特定できるでしょう。水漏れしている箇所が簡単に見つからない場合は、原因としてよくあるケースについて1つずつ確認していきます。

トイレの水漏れの原因と修理方法

トイレの水漏れの原因と修理方法

トイレの水漏れは、トイレタンクや給水管、便器本体から発生している場合が少なくありません。明らかに水漏れしているという箇所が見つからない場合は、1箇所ずつ異常がないかを確かめてみてください。

水漏れの原因としてよくあるケースと、具体的な修理方法を解説します。

トイレタンクからの水漏れ

トイレタンクから便器内への水漏れが発生している場合は、タンク内部の部品に異常がないか確認してみましょう。水を流していないにもかかわらず、トイレの便器内に水が流れてきたり、水面が揺れていたりといった症状が見られるケースです。原因としては、浮き球の付いた「ボールタップ」という部品や、水を流す際に開く「フロートゴム」というタンク底のパーツに、何らかの不具合が発生していることが考えられます。異物などが引っかかっている場合は取り除いて正常に動くように直し、破損や劣化が見られる場合はパーツの交換を行いましょう。

給水管からの水漏れ

給水管が濡れている、床に水が溜まっているといった場合は、給水管や止水栓からの水漏れが原因として考えられます。特に、接続部分から水漏れが発生しているケースが多いので、異常がないか確認してみてください。接続部分のナットが緩んでいる場合は閉めなおす、ナットの中にあるパッキンが劣化している場合は取り替えるといったことで解決できる可能性があります。

修理が必要な箇所が止水栓の付近である場合は、必ず元栓を閉めて行いましょう。ただし止水栓が劣化していると、回せない場合や、無理をすると止水栓や給水管の破損につながることもあるので注意してください。

温水洗浄便座(ウォシュレット)からの水漏れ

温水洗浄便座(ウォシュレット)からの水漏れがあるしている場合、まずはノズルが目詰まりしていないか確認してみてください。原因が目詰まりであれば、ノズルを掃除すれば解消される場合があります。

また、壁掛けリモコンの「止」を押してもノズルから水が出続けるというケースは、リモコンの電池が切れているという場合も少なくないので、電池交換を試してみましょう。

ノズルの掃除や電池の交換を行っても水漏れが解消されない場合は、温水洗浄便座(ウォシュレット)の本体が破損している可能性が高くなります。

修理では電気と水を扱うため、危険が伴うことも多いものです。専門業者の診断を受けて修理を依頼したほうがよいでしょう。

便器内での水漏れ

便器内での水漏れの原因として、代表的なものが2つ挙げられます。

1つ目は、トイレのひび割れです。
強く物をぶつけた、地震のような大きな衝撃が加わったなどのことがあると、ひび割れができてしまいます。ひび割れは割れ目を塞いだとしても、耐久性が下がってまた割れてきてしまうケースが多いので、トイレごと交換したほうがよいでしょう。

2つ目は、結露です。
厳密には水漏れではありませんが、結露でできた水滴が流れて床が傷むなど、水漏れと同様の被害が発生する場合があります。結露は、便器内の水温とトイレの室温の温度差が大きいことで発生するため、こまめに換気する、暖房で暖めるといった対策で防ぐことがおすすめです。頻繁に発生するようなら、結露を防ぐ機能が付いた防露便器や防露タンクに交換するという方法もあります。

便器と床の隙間からの水漏れ

便器と床の隙間から水漏れが見られる場合は、温水洗浄便座(ウォシュレット)や給水管の接続部分から水が漏れだしているケースの他に、トイレ自体の設置不良により水漏れしている可能性もあります。便器と配管をつないでいる排水経路に原因がある、といったようなケースです。壁や床下の内部で問題が発生していることになり、自分での修理はできないため、早めに修理を依頼しましょう。

トイレの水漏れを修理業者に依頼する際の注意点

トイレの水漏れを修理業者に依頼する際の注意点

自分で修理できるトイレの水漏れもありますが、失敗すると水漏れが悪化してしまうこともあります。不安な場合は水道修理業者に依頼しましょう。

どのような修理業者に依頼すればよいか、業者選びに関する注意点を解説します。

水道局指定工事店に依頼する

上下水道の工事が許可されているのは、一定以上の施工技術を持ち、適正な事務手続きができる業者のみです。

水道局の指定修理業者・指定工事店に認定されていることも判断基準の一つになりますので、依頼に迷ったら水道局の指定を受けている業者を選びましょう。

事前にWebでサービス内容やレビューを確認する

サービス内容やレビューをWebで確認するというのも、業者の評判を知ることができる1つの方法です。確認時、特に見ておくべきポイント4つを紹介します。

アフターフォローがしっかりしているか

業者によって、アフターフォローや保証、サポートの内容などが異なります。修理後も安心してトイレを使用できるように、アフターフォローがしっかりしている業者を選ぶことはポイントの1つです。

予防対策の提案をしてくれるか

どうして水漏れしたのかという説明や予防対策について教えてもらえると、今後は同様の水漏れを未然に防ぐことができます。説明や提案が丁寧かという点もチェックしましょう。

緊急案件に対応してくれるか

トイレの水漏れは放置すると被害が拡大し、下階や他の部屋に及んでしまうことも少なくありません。緊急案件に対応して、早急に修理をしてくれる業者を選ぶのもポイントです。

経験と実績があるか

水漏れの原因によっては、トイレを新しいものに替えなくてはならないなど、大がかりな作業になる場合もあります。スムーズに修理を行える経験と実績のある業者を選びましょう。

悪質な水道修理事業者の事例

悪質な水道修理事業者に依頼したことで、依頼した修理以外の作業が勝手に行われて、高額な費用を請求されてしまったという事例も発生しています。

トイレが水漏れすると慌ててしまうものですが、安易にチラシなどを配布している業者に依頼するのは危険です。落ち着いて施行内容や金額を確認し、信頼できる業者を選んで修理依頼を行いましょう。

トイレ水漏れをプロにお願いした場合の費用相場

トイレの水漏れについて修理をプロの業者に依頼する場合、費用相場は1万円〜3万円程度が目安と言われています。

もちろん、水漏れの原因や修理の内容によって費用相場は異なるものです。パッキンの交換のような軽い修理なら1万円程度ですむ事が多いようですが、トイレを便座ごと替えなくてはならないような場合は、3万円以上の工事費用に加えてトイレ本体の商品代がかかるというケースもあります。

まとめ

トイレの水漏れが発生したら、被害を広げてしまわないよう適切な処置をし、早急に修理を行いましょう。

自分での修理が難しい場合は、修理業者に依頼することをおすすめしますが、必要以上に高額な請求をしてくる悪質な事業者もいるので注意が必要です。水道局の指定を受けているか、サービス内容やレビューが良いかといったポイントを依頼前に確認してみてください。

修理後に安心してトイレを使うことができるように、信頼できる業者を選んで修理をお願いしましょう。


執筆年月日:2024年8月
※内容は2024年8月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。

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