水道から水が出ない原因は?対処法を解説

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水道から水が出ない原因は?対処法を解説

水道の蛇口から水が出ないと、生活が非常に不便になります。水が出ないことに気が付くのは、前日まで水が出ていたので朝使おうとしたら出ない場合や、マンションなどの集合住宅への転居当日に水が出ないことに気づく場合などがあげられるでしょう。

水道から水が出ないのには原因があります。原因に合わせた対処法を行うのが、なるべく早くトラブルを解消するためのポイントです。そこで本記事では、水道の水が出ないときのチェックポイントについて解説するとともに、原因に合わせた対処法についてお伝えします。

【まずは確認】突然水が出ないときのチェックポイント

水道の蛇口から水が出ないことに気が付いたときには、確認すべきポイントがあります。詳しく見ていきましょう。

元栓の確認

最初に確認しておきたいチェックポイントは、水道の元栓です。止水栓とも呼ばれており、水道メーターの手前にあるバルブを回すことで、元栓を開けます。

転居時や水道関連の工事や点検が行われている場合には、元栓が閉まっていることがあるため、水が出ないときは、まず元栓を確認してみましょう。

断水の可能性

元栓が開いているにもかかわらず、水が出ない場合には、地域で断水をしているかもしれません。水道工事などが実施されていると一時的に断水することがあるため、お知らせ等がないかをチェックしましょう。

断水等の予定がない場合は、近隣で水道関連の事故が起こっている可能性があります。管理会社や水道局に確認するとよいでしょう。

水道料金の未払い

元栓も開いており、断水や水道関連の事故などもない場合は、水道料金が未払いとなっている可能性があります。転居前に水道局への申請を忘れている場合も、転居時点で使用できません。

また、料金の引き落としを行っている口座が残高不足の場合、水を止められてしまうことがあります。蛇口から水が出ない場合には、料金の支払いについても確認しましょう。

【原因別】水道から水が出ないときの対処法

水道から水が出ない時の対処法には、さまざまなものがあります。ここでは対処法について、原因別にお伝えします。

水道管の凍結

一般的には、水道管が凍結するのは、以下のような場合と言われています。

  • 気温がマイナス4度以下になる
  • 氷点下の日が続く
  • 気温が下がりやすい場所に水道管がある

上記のような条件を満たす地域として、北海道や新潟などの寒い地域が挙げられるでしょう。こういった地域では、水道管が凍結することがあります。

すぐに水道水を使う予定がない場合には、溶けるまで待つと良いでしょう。水道を早く使いたい場合は、蛇口や水道管にタオルを巻き、上からぬるま湯をかけたりドライヤーを当てたりして、ゆっくりと解凍するのがおすすめです。ただし、水道管に熱湯をかけると破裂することがあります。そのため、水道管が凍結した場合には、ぬるま湯を使用することが大切です。

なお、水道管が破損したり破裂したりしている可能性がある場合や、解凍したあとに水漏れが発生しているおそれがある場合は、専門の修理業者に相談しましょう。

水道管の劣化

水道管の経年劣化によって、水が出なくなることがあります。水道管の素材には、鉄管、鋼管、樹脂管があり、一般的な耐用年数は40年程度とされています。ただし、鉄管は40~70年前後、鋼管は15~20年程度といわれており、水道管の材質や使用環境によっても、劣化のスピードは異なります。

長年、水道管の交換をしていない場合は、水が出ない原因が劣化によるものかもしれません。水道管の劣化を見分ける方法には、以下のものがあります。

  • 水の状態が以前と異なる
  • 水漏れが発生している
  • 自宅周辺から異臭がする

水道水の見た目が濁っていたり、においが気になったりする場合、水道管の劣化が原因かもしれません。また、味に違和感があったり、赤い水が出たりするのも老朽化のサインです。

以前と異なる変化がある場合には、水道の専門業者に原因を調べてもらう必要があるでしょう。

受水槽やポンプの故障

集合住宅やマンションには、水の供給をスムーズに行えるよう、水を貯めておくための受水槽が設置されているところがあります。

集合住宅やマンションの受水槽や給水ポンプに不具合が発生すると、各住戸に水を送ることができません。また、受水槽は、給水と出水を繰り返すことで、一定の水量を維持できるようになっています。出水口に設置されているオーバーフロー管は、受水槽の調節弁の役割があり、故障すると受水槽の中の水があふれるトラブルが起こります。これも、水が出ない原因の一つです。

そのほかにも受水槽にはさまざまな部品が使われており、それらの一つでも故障することで、水回りのトラブルが起こります。多くの人に影響が出るため、10立方メートル以上の大きな受水槽は、定期点検が義務づけられています。故障した場合にも、専門業者による対応となるため、集合住宅やマンション一帯で水が出ないとなった場合は、管理人等に連絡するとよいでしょう。

逆止弁が詰まっている

逆止弁とは、蛇口の根元にある部品のことです。お湯と水を混ぜて使える混合水栓に、水の逆流を防ぐために取り付けられています。取り付け場所は、水栓のタイプによって異なり、水栓のすぐ後ろやシンク下などが挙げられるでしょう。

逆止弁による水道の詰まりは、水のなかに含まれる錆びや小さなごみが、逆止弁に引っかかるのが原因です。そのため、逆止弁に詰まったごみを取り除くことで、トラブルを解消できます。

ただし、逆止弁に詰まったごみをとるためには、蛇口を分解しなければなりません。蛇口の構造は想像以上に複雑なため、素人が分解するのは難しい可能性があります。分解作業に不安がある場合は、専門業者に依頼しましょう。

ストレーナーの詰まり

ストレーナーとは、水道水に含まれる錆びや小さなごみを取り除くための部品です。網目状になっているため、錆びやごみ、汚れによって目詰まりを起こすことがあります。

ストレーナーの目詰まりが原因で水が出ない場合には、詰まったごみを取り除かなければなりません。歯ブラシや楊枝などを使って、丁寧にごみや汚れを除去しましょう。水が出ない原因がストレーナーにあるかどうかは、ストレーナーを外して確認しなければ分かりません。蛇口の取扱説明書などを参考にストレーナーを外しましょう。ごみや汚れが溜まっていたら、網目を壊さないように優しくゴミを取り除きます。

ただし、システムキッチンなどに使用されるシングルレバーの蛇口の中には、ストレーナーが取り外しできないタイプがあります。その場合には、泡沫キャップを外してゴミや汚れを取り除きましょう。

スパウトの詰まり

スパウトは、蛇口本体から蛇口先端の吐水口へつながる細長いパイプです。スパウトの中に水道水に含まれる汚れや金属が溜まることで、詰まりを起こすことがあります。また、左右に動かして水の位置を変えられる部分のため、動かす頻度が多いことから水漏れが起きやすい部分でもあります。

スパウトに溜まったごみが原因で水が出ない場合は、付着したごみを取り除くと良いでしょう。ただし、スパウトもストレーナーと同様に、水が出ない原因がスパウトにあるかどうかは、スパウトを外して確認しなければ分かりません。

スパウトは、ボルトで蛇口本体に固定されているため、分解して取り外すことが可能です

が、取り外しや取り付けには注意が必要です。ボルトの固着や錆びによって、取り外す時に破損する可能性があります。そのため、スパウトの取り外しが難しかったり、不安があったりする場合は専門業者に依頼しましょう。

止水栓が閉まっている

前述した通り、転居前や水道工事などで止水栓が閉まっている場合には、水道から水が出ません。そのため、まずは水道メーターのバルブが開いているかを確認しましょう。開いていない場合は、バルブを回して水が出るかを確認します。ただし、水道局への申請が済んでいるかや近隣での断水などを確認した上で行いましょう。

「元々開いている場合」「開いても水が出ない場合」には、ほかの原因が考えられます。水道設備には、直結給水方式と貯水槽水道方式があり、直結給水方式の場合は、水道局のお客さまセンターに連絡しましょう。貯水槽水道方式では、ポンプの故障または水道の点検中であることが考えられます。そのため、まずは管理人に連絡しましょう。

水漏れが発生している

水が全く出なかったり、以前より水量が減ったと感じたりする場合は、目には見えない場所で水漏れが発生しているかもしれません。目に見えない水漏れの有無を確認するためには、水道メーターの横に設置されている止水栓のバルブを閉める必要があります。バルブを閉めても水道メーターが動き続ける場合は、水漏れが起こっている可能性があります。

水漏れの有無がわかったら、どこで水漏れをしているのか特定しましょう。考えられる場所は以下のとおりです。

  • トイレ:便器やタンク付近を確認
  • お風呂場:蛇口やシャワー付近を確認
  • キッチン:蛇口やシンク下付近を確認
  • 洗面所:蛇口やキャビネット内の給水管付近を確認

上記の場所を確認したうえで、専門業者に依頼するようにしましょう。

まとめ

「蛇口から水が出ない」と一口にいっても、その原因は多種多様あります。対処法についても、自身でできるものから、専門業者に依頼する必要があるものまでさまざまです。水が出なくなり困った時には、まずは原因を特定する必要があるでしょう。特定までできなくても、ある程度しぼることで、その後の対応がスムーズになります。

ただし、蛇口や水道管は、素人にとっては複雑な構造をしています。作業しにくい場所でもあるため、修理や掃除に不安がある場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。

執筆年月日:2024年10月

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