スマートフォンの画面割れの対処法|自分でできる応急処置や修理方法について解説
スマートフォンの画面が割れてしまったとき、自分で修理できないか一度は考えたことがあるかと思います。しかし、自分で修理することは、さまざまなリスクを伴うためおすすめできません。スマートフォンの画面が割れたときは応急処置を施し、専門家に修理を依頼するようにしましょう。
この記事では、スマートフォンの画面割れの対処法について解説します。
スマートフォンの画面が割れた場合の応急処置
スマートフォンの画面が割れた場合、そのままにしておくとさまざまなリスクがあります。修理に出すまでの間はできる限りリスクを減らせるよう、応急処置をするようにしましょう。
軽度のひび割れ
軽度のひび割れの場合、以下のものを使用して応急処置を施しましょう。
- 保護フィルム
割れた画面に保護フィルムを貼ると、破片の飛散やスマートフォン内部への侵入、ケガの予防ができます。
- テープ
保護フィルムをすぐに用意できない場合は、割れたところをセロハンテープで覆うのも効果的です。保護フィルムと同様の予防効果が期待できます。
- サランラップ
スマートフォン本体にサランラップを何重にも巻くと、破片でのケガも防げます。巻いた状態でも画面はしっかり反応するため、操作できないことはありません。
レジンや接着剤などで割れた部分を固めると修理可能という情報もありますが、あまりおすすめできません。よほどの技術がないと、きれいに修復するのは困難です。これらを使って応急処置をすると、修理を依頼しても改造と判断され修理してもらえなくなる場合もあるため注意しましょう。
重度のひび割れ
液晶部分まで入りこむほど重度なひび割れの場合、応急処置は困難です。画面が表示されない、液晶漏れが起きているなど画面割れ以外の不具合が発生している場合は、早急に修理するようにしましょう。画面のみでなく、ほかの部分も修理する必要があります。データのバックアップは、早めに取っておくようにしてください。
ひび割れが重度になると、割れた直後は操作に問題がなかったとしても、後からうまく操作できなくなったり、画面自体が暗くなり操作できなくなったりする可能性もあります。操作ができなくなった時点でデータが消えてしまう可能性もあるため、早めに対応するようにしましょう。
重度のひび割れは、放置するとスマートフォン自体が使えなくなる恐れがあります。下手に応急処置に頼ろうとせず、すぐに対応するようにしてください。
画面修理を自分で行うのがおすすめできない理由
画面修理を自分で行うのはおすすめできません。修理費用は安く済みますが、それ以上にさまざまなリスクが伴うためです。画面修理を自分で行うのがおすすめできない理由を解説します。
故障がさらにひどくなる場合がある
画面修理を自分でやると、ほかの部分を変に触ってしまい故障がさらにひどくなる場合があります。気をつけていても重要な部品を傷つけてしまい、スマートフォンの動作にも影響する故障を引き起こしかねません。インターネットで検索すると方法は出てきますが、実際にやってみると細かく難しい作業が多く、同じようにはできないことがほとんどです。
故障がさらにひどくなると、修理業者に依頼するしか方法がありません。画面割れの修理以上の費用がかかる場合もあります。スマートフォン自体が使えなくなるのを防ぐためにも、修理に出すのが無難です。
修理の保証対象外となる可能性がある
自分で修理してうまくいかなかった場合、修理に出しても保証対象外となる可能性があります。メーカーやキャリアショップでは改造したとみなされ、保証は利用できません。
失敗した内容によっては、修理業者でも対応が難しい可能性もあります。そうなると本体を買い換えるしか方法がなく、もともとの不具合のみの修理費用よりも高くつくことは免れません。
修理代を安く済ませようとして本体を買い換える事態になっては、本末転倒です。費用をできる限り抑えたいと考えるなら、自分で修理するのはやめましょう。
防水機能が失われる
発売されているスマートフォンの多くは、防水機能が付いています。防水機能は、ケースや電池カバーの接着部分をシリコン製のゴムパッキンや両面テープなど特殊な接着剤でしっかり接着し、密閉し水の侵入を防ぐ仕組みです。
画面修理で画面を剥がすと、その接着部分の接着剤がはがれてしまい、防水ではなくなってしまいます。画面修理がうまくいっても防水機能がないため、水没してしまえば修理に出すしかなく、高額な費用がかかります。防水機能を失いたくないのなら、自分で修理することはおすすめしません。
そもそも電波法違反になってしまう
自分でスマートフォンを修理してしまうと改造したことになり、そのスマートフォンで電波を発すれば電波法違反になります。スマートフォンには技適マークが付いており、このマークが付いたものは総務省が認めたショップや修理業者以外の修理は法律上認められていません。
カメラや音楽を聞くなど、インターネットを使わず電波を発しない使用方法であれば違反にはなりません。ただし、電話やメールなど通信が必要な行為を少しでも行うと、違反になります。自分で修理できたとしても、その後の使用自体が違反行為になるのです。日常的な使用方法で問題なくスマートフォンを使いたいのであれば、自分で修理するという考えは捨てるようにしましょう。
「電波法」とは
電波法は、公平かつ効率的に電波を活用するために定められた法律です。電波法で規制されている主な内容は以下のとおりです。
- 無線局の開設許可
- 無線機(無線設備)の技術基準への適合
- 免許を持った無線従事者の配置
携帯電話を始めとした無線機を使用するためには、免許を所持している認定された登録者が総務大臣から無線局としての許可を得る必要があります。また、無線機には、電波法に基づいた技適マークを付けることが義務付けられています。
技適マークとは、無線設備の技術基準が保持されていることを確認するためのものです。技適マークが付いた無線機器は、電波法に基づき認められた無線従事者が認められた範囲内で修理することで、引き続き技術基準が保持されていることを証明できます。
許可のない者が修理するというような電波法に違反する行為は、罰則や処分の対象となる可能性があるため注意してください。電波法は、電波を適正に利用するためだけでなく、無線機器の品質を維持するための法律でもあるのです。
スマートフォンの画面が割れた場合の修理依頼先
スマートフォンの画面が割れたら、どこに修理を依頼すればいいか迷うことも多いかと思います。加入している補償サービスがあるかを確認して、依頼場所を検討しましょう。スマートフォンの画面割れが修理できる場所をご紹介します。
Android正規店
Androidの場合、正規店は以下の2つです。
- メーカー
画面割れは、メーカーに依頼できます。メーカーでは購入から1年間の保証が付いており、期間内であれば無償もしくは割引で修理が可能です。
ただし、通常の使用範囲での故障のみが対象で、落下や水没は対象外になる可能性が高いため注意してください。保証対象外、保証期間外であれば修理費用は高くなります。
修理を依頼してから完了するまでに1週間程度日数がかかります。ほとんどの場合データは初期化されるため、自身でバックアップを取って復元する必要がある点にも注意しましょう。
- キャリアショップ・家電量販店
スマートフォンを購入したのがキャリアショップや家電量販店の場合、購入した店舗に依頼する方法もあります。キャリアショップや家電量販店にはお店で行っている補償サービスがあり、加入していると無償もしくは割引で修理が可能です。
購入時、補償サービスに加入していたかどうか確認してみるようにしましょう。補償サービスに加入していないと、修理費用は高くつきます。
メーカー同様、修理依頼から完了まで1週間程度かかります。ほとんどはデータが初期化されるため自身でバックアップを取って復元する必要があるため注意してください。
iPhone正規店
iPhoneの場合、正規店は以下の2つです。
- Apple Store
Apple StoreはiPhoneの販売だけでなく、正規店として修理も行っています。購入から1年間の保証では画面修理が対象になりません。しかしながら、Appleの補償サービスAppleCare+に加入している場合は保証を利用した修理が可能です。
まずは、AppleCare+に加入しているか確認しましょう。AppleCare+があれば、サービス料金は必要ですが通常より安い費用で修理可能です。ただし、Apple Storeは国内の店舗数が10店舗と少ないため、お住まいの近くにないことがほとんどです。近くにApple Storeがない場合は、Apple正規サービスプロバイダを利用しましょう。
- Apple正規サービスプロバイダ
修理依頼は、Apple正規サービスプロバイダでも可能です。Apple正規サービスプロバイダはApple公認のiPhone修理業者で、AppleStoreと同じ品質で修理してもらえます。キャリアショップや家電量販店が公認されているため、近くにApple正規サービスプロバイダがあるか、確認してみましょう。
AppleCare+に加入していれば、Apple Storeと同様にサービスを利用できます。ただし、修理費用はプロバイダによって異なる場合があります。お店に直接確認するようにしてください。
街の修理ショップ(非正規店)
街の修理ショップに依頼する方法もあります。修理ショップなら、AndroidもiPhoneも修理が可能です。
画面割れを急ぎで修理したい場合、メーカーやキャリアショップに依頼すると日数がかかりますが、修理ショップならほとんどが即日で対応してもらえます。修理費用が比較的安く済むのもいいところです。
ただし、iPhoneは一度でもAppleが公認していない修理業者で修理すると、Apple正規店で修理を依頼できなくなります。今後故障が発生した場合のことを考えて、iPhoneは正規店で依頼するようにしましょう。
※Androidは、Google LLC の商標または登録商標です。
※iPhoneは、Apple Inc.がアイホン株式会社の許諾を受けて使用している商標または登録商標です。
※App Storeは、米国その他の国や地域で登録されたApple Inc.のサービスマークです。
※Appleは、米国その他の国で登録されたApple Inc.の商標です。
まとめ
スマートフォンの画面割れは自分で修理可能ではありますが、修理作業は難しい上にさまざまなリスクを伴います。自分で修理するのは、決していい方法とは言えません。
修理費用がより高くつくのを避けるためにも、画面割れの修理は専門家に依頼するようにしましょう。スマートフォンを長く使用し続けるために、正しい方法で修理してください。
執筆年月日:2024年11月
※内容は2024年11月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。