Windows 11のアップグレード方法は?システム要件や注意点も解説
Microsoftは、Windows 10を2025年10月14日にサポートを終了すると発表しました。
Windows 11にアップグレードをするべきか悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
Windows11は2021年10 月5日にリリースされ、スタートメニューの改善や新機能、セキュリティー対策の強化などさまざまな特長があります。Windows 11へのアップグレードは無償ですが、アップグレードできるパソコンの要件や手順など知っておくべきことがあります。この記事ではWindows 11へのアップグレード方法や必要な要件、注意点などをご紹介します。
Windows 11へのアップグレードはいつまでに行うべき?
Windows 10は2025年10月14日にサポートが終了します。サポート終了後も強制的にアップグレードされることはなく継続して利用できますが、そのまま利用し続けるとセキュリティーリスクが高まる上、メーカーのサポートが受けられなくなってしまう可能性があります。
Windows 11へのアップグレードは現時点で無償提供されています。しかしMicrosoft社は無料アップグレードに対するサポートをいずれ終了すると示唆しており、期間終了後は有償でアップグレードすることになります。
コスト面やサポートやセキュリティーの観点からも、早めのアップグレードが望ましいでしょう。
Windows 11へのアップグレードに必要なシステム要件
お使いのパソコンがシステム要件を満たさなければ、Windows 11にアップグレードすることはできません。Windows 11へのアップグレードに必要なシステム要件は以下のとおりです(2024年9月現在)。
- プロセッサ: 1GHz以上で2コア以上の64ビット互換プロセッサまたはSystem on a Chip(SoC)
- メモリ:4GB
- ストレージ:64GB以上の記憶装置
- システム ファームウェア:UEFI、セキュアブート対応
- TPM:トラステッド プラットフォーム モジュール バージョン2.0
- グラフィックスカード:DirectX12以上(WDDM2.0ドライバー)に対応
- ディスプレイ:対角サイズ9インチ以上で8 ビット カラーの高解像度(720p)ディスプレイ
Microsoftが提供する「PC正常性チェックアプリ」を実行すれば、パソコンが上記要件を満たすかを簡単にチェックすることができます。必要なシステム要件は更新される可能性があるため、最新の情報については公式サイトをご確認ください。
参考:Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft
Windows 11へのアップグレード方法
Windows 11へのアップグレードには、Windows Update、インストールアシスタント、インストールメディアの3つの方法があります。それぞれの手順を詳しく見ていきましょう。
Windows Update
1つ目は、Windows Updateからアップグレードする方法です。通信環境があれば、指示に従ってダウンロード・インストールをすれば更新が可能です。
- 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」をクリックし、Windows Update の画面で更新状態を確認し、Windows 10を最新の状態にアップデートしておく。
- Microsoft アカウントにサインインする。アカウントを取得していない場合は、「Microsoft アカウントを作成」からアカウントを取得する。
- アップグレードの準備ができたことが表示されたら、「ダウンロードとインストール」をクリックする。
- ライセンス条項の内容を確認して「同意してインストール」をクリックすると、ダウンロード → インストールと進み、再起動後にアップグレードが実施される。
インストールアシスタント
2つ目は、Windows11の公式サイトからインストールアシスタントをダウンロードしてアップグレードする方法です。 公式サイトではWindows Updateからのアップグレードが推奨されていますが、すぐにアップグレードする必要がある場合は、この方法でアップグレードすることもできます。
- Windows 11インストールアシスタントページにアクセスし、「今すぐダウンロード」よりツールをダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、Windows 11インストールアシスタントを起動する。
- ライセンス条項を確認し「同意してインストール」をクリックすると、ダウンロード → ダウンロードの確認 と進み、再起動後にインストールが開始される。
インストールメディア
3つ目は、インストールメディアを作成してインストールする方法です。基本的にはWindows Updateからアップデートするのがおすすめですが、インターネット環境にない場合でも下記方法でインストールすることが可能です。
- 公式サイトの「Windows 11をダウンロードする」から「Windows 11 のインストールメディアを作成する」の「今すぐダウンロード」をクリックする。
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると「Windows 11セットアップ」アプリが起動する。
- ライセンス条項を確認後、「同意してインストール」をクリックする。
- Windows 11の言語、エディション、アーキテクチャを選択する。
- インストールメディアの作成に使用するメディアをUSBフラッシュドライブ、DVDドライブいずれか選択し、作成したファイルを格納する。
- インストールメディアをセットしてパソコンを起動し、Windows 11をインストールする。
Windows 11へアップグレードする際の注意点
正しい手順でアップグレードを行わないと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。ここからは、Windows 11にアップグレードする際の注意点について解説します。アップグレード実施前には、念のためバックアップを取っておくとよいでしょう。
Windows 10の複数の機能が使用不可になる
Windows 11にアップグレードすると、Windows 10の一部機能が使えなくなることに注意しましょう。Windows 10 で使用可能だった以下の機能は、Windows 11では使用することができません。普段利用している機能がある場合は、別の機能で代用可能かアップグレード前に確認しておきましょう。
- 数式入力パネル
- タイムライン
- ウォレット
- タブレットモード
- Internet Explorer 11 デスクトップアプリケーション
- ロック画面の簡易ステータス
- 『スタート』メニューの名前付きグループとアプリのフォルダー
ほかにもタスクバーのカスタム制限など、一部制限が入った機能や、代わりとなる機能に切り替わったものもあります。詳細は公式サイトの「機能の廃止と削除」をご覧ください。
アプリが使えなくなる可能性がある
Windows11にアップグレードするとWindows10でインストールしていたアプリは引き継がれますが、それらがWindows11で動作するかは検証が必要です。
現在使用しているアプリや社内システムがWindows 11に対応していない場合、アップグレード後に使えなくなったり、想定どおりに動作しなくなったりする可能性があります。また、各種周辺機器が対応しているかについても確認が必要です。
特に、仕事で使っているパソコンでシステムが動かなくなってしまうと業務に支障が出る場合もあるため、アップグレード前に動作検証し、周辺機器含め互換性について確認しておくと良いでしょう。
新規の不具合が起きる可能性がある
Windows11が提供開始されてから数年が経過していますが、さまざまな不具合の報告が出ています。今後新しい不具合が発生する可能性があることについても注意が必要です。
Microsoftから随時配信される更新プログラムにより修正が加えられ、不具合が解決されているものもありますが、今後も新たな不具合が起きないとは言い切れません。
サポート終了まで残りわずかではありますが、気になる方は公式サイトの情報やユーザの情報を注視すると良いかもしれません。
ロールバックは10日間まで
Windows 11へのアップグレード後に不具合が見つかった場合など、アップグレード後にWindows 10に戻したい場合は「スタート」→「設定」→「システム」→「回復」と進み、「回復オプション」内の「復元」ボタンをクリックすることで Windows 10に復元することができます。
ただし、アップグレードから10日を経過するとWindows 10に復元できなくなってしまいます。
また、Windows 10にロールバック(ダウングレード)を行う場合は、Cドライブに「Windows.old」フォルダが残っていることが条件となります。
ロールバックする場合、Windows 11へのアップグレード後に新しく加えた設定や、インストールしたアプリなどのデータが失われるリスクがあることにも注意しましょう。
Windows11へのアップグレード後にトラブルが発生した場合の対処法
Windows11にアップグレードした後にトラブルが発生した場合、どうすればよいのでしょうか。
以下の方法を試してみると解決できるかもしれないため、試してみると良いでしょう。
PCメーカーのドライバをアップデートする
Windows11に対応をしているパソコンであれば、Windows11向けのドライバがメーカーから発表されています。
Windows11へのアップグレード後に不具合が発生した場合、ドライバのアップデートや再インストールによって症状が直る可能性があります。最新ドライバをダウンロードしてから再度操作してみましょう。
最新ドライバのインストール方法はメーカーによって異なりますが、各メーカー公式サイトからダウンロードしたり、ドライバアップデート用のユーティリティツールからアップデートしたりすることが可能です。
Microsoft公式サイトの「サポートページ」で調べる
Microsoft公式サイトのサポートページでは、製品やサービスに対するトラブルシューティングや不具合についての対応方法などが記載されています。
ユーザーの間でよく発生する不具合の場合、サポートページで課題の解決方法が見つかる可能性があります。
Windows11へのアップグレード後にトラブルが発生した場合は、自身のパソコン環境で発生したのと同じトラブルのケースがないか確認してみましょう。
「Windows のヘルプとラーニング」の検索機能を使えば、より効率的に情報収集が可能です。ぜひ活用してみてください。
Microsoft社サポート窓口へ相談する
Microsoft公式サイトの「サポートページ」で探しても解決策が見つからない場合はMicrosoft社のサポート窓口に相談してみましょう。公式サイトの「お問い合わせ」からサインインし、サポートが必要な製品を選択することで、適切なヘルプとサポートを受けることができます。
Windows11へのアップグレードしたことで発生した不具合の内容や、自身のパソコン環境を伝えて対処方法を確認しましょう。
まとめ
Windows 11へのアップグレードは簡単ですが、トラブル回避のためにも事前にシステム要件や既存アプリとの互換性などを確認しておくことがおすすめです。
パソコンのスペックや通信速度などによって異なるものの、アップグレードには約2時間以上かかり、パソコンが複数台ある場合は膨大な時間がかかります。
また、適切な手順や方法でアップグレードしないとトラブルが発生することも考えられます。
Windowsのアップグレードは、パソコンサポート業者などに依頼することで余計な人件費や労力を減らし、トラブルを回避することができます。
是非、利用をご検討ください。
・Microsoft、Windows、及び関連する名称は、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。
執筆年月日:2024年9月