鍵修理|主な不具合ごとの対処方や費用相場を解説
ある日突然、家の鍵が開かない、鍵が折れてしまったなどのトラブルに見舞われ、自宅の扉の前で焦った経験はありませんか?鍵の不具合は、誰にでも起こり得ることです。
この記事では、鍵の不具合があった場合の対処法と修理費用について解説します。 突然のトラブルに備え、ぜひ最後までご覧ください。
鍵が開かない主な不具合と自分で修理するときの対処法
鍵が開かない不具合の例として、鍵穴が回らない、鍵が抜けない、鍵が折れるといった具体的な症状があります。建物の鍵にこれらの症状が見られた場合の対処法を、個別に紹介します。
鍵が回らない
鍵の使用年数が長いと、鍵に付着した塵やホコリなどが、鍵穴に蓄積されていきます。
塵やホコリの蓄積は、鍵と鍵穴がうまく噛み合わなくなり、鍵が回らない原因となるのです。
鍵が回らない場合に実施する掃除の方法を順番にご紹介します。
- 鍵を拭き取り、綺麗にする
最初に行う対処方法は、鍵本体を綺麗にすることです。
防犯性能の優れた鍵は構造上、塵やホコリが溜まりやすいため、定期的に掃除をしておくと安心です。
鍵の掃除方法はブラシや柔らかい布など、鍵が傷つきにくいものを使用して、優しく掃除しましょう。
定期的な鍵の掃除は、鍵穴の汚れを防ぐことができ、非常に効果的な作業です。すぐに終わる簡単なメンテナンスです。ぜひ習慣にしてください。
- 鍵穴を掃除する
鍵穴の掃除は一見難しそうですが、掃除機やエアダスターを使用して内部の汚れを取り除くことができます。
掃除機やエアダスターのノズルを左右に動かして、まんべんなくゴミを除去しましょう。
- 潤滑油を使用して鍵の滑りを良くする
鍵穴の塵やホコリを取り除いた後にやっておきたいメンテナンスは、潤滑油を使用して鍵の滑りをよくすることです。
使用年数の長い鍵は滑りが悪化していくため、滑りを良くすることで鍵の摩耗を防ぎます。
このメンテナンスのポイントは、鍵穴専用の潤滑油を使用することです。普通の潤滑油の使用は故障の原因になるため、使用を避けてください。
鍵が差さらない・抜けない
鍵が差さらない、差さっても抜けない、といった状況では、力任せに抜き差しせず、落ち着いて対処しましょう。
鍵が抜き差しできない原因は、鍵穴に異物が入っている、鍵の変形、間違った鍵の使用、鍵穴内の潤滑油の枯渇などが考えられます。
このようなトラブルが起きた場合は、以下の方法をお試しください。
- 鍵が差さらない
最初に「差し込もうとしている鍵が合っているか」「変形していないか」を確認します。
問題がなければ、鍵の掃除及び鍵穴の掃除をしてみましょう。
スペアキーを持っている場合は、その鍵で試すことにより、原因が特定できるかもしれません。
- 鍵が抜けない
鍵は差さったが抜けなくなった場合、無理に引っぱらず、小刻みに動かしながら引き抜きます。
力を入れて大きく動かすと、鍵や鍵穴が破損する恐れがあります。焦っていても、落ち着いてゆっくりと動かすようにしましょう。
いずれの場合も力任せに動かさず、優しく動かすところがポイントです。この方法を試しても改善しない場合は、鍵の専門業者に依頼をしましょう。
鍵が空回りする
操作側が気付きやすい不具合の1つに、鍵の空回りがあります。
鍵を差し込んで回しても、鍵がかみ合っている手応えが感じられないというケースです。空回りしている場合は、鍵での解錠や施錠をすることは不可能です。
鍵の空回りには以下の3つの原因があります。
- 鍵の先端の摩耗
鍵を長期間使用することで、鍵の先端部分がすり減りやすい構造のものがあります。
こうした仕様の鍵を交換せず使い続けると、鍵の先端部分がすり減って、スムーズな抜き差しができなくなったり、鍵が空回りしたりする不具合が生じるのです。
鍵の先端がすり減ってきたと感じたら、スペアキーを作成するなど、事前に対策を講じておきましょう。
- カム、デッドボルトの不具合
扉を開けた状態で鍵が回るかをチェックしてみましょう。扉が開いた状態で鍵が回れば、デッドボルトがドア枠の穴とかみ合っていないことが原因の可能性があります。デッドボルトとは鍵を回すとドア側から突出する金具のことです。
カムとはシリンダーの後部に位置するパーツです。カムの故障が原因で空回りしていることも考えられます。カムのみを修理することが困難な場合、シリンダー全体の交換が必要です。
- ピンの緩み
シリンダーを固定しているピンが緩み始めると、鍵が空回りする不具合が発生します。また、このピンの変形により、空回りが起こっていることもあります。
ドアの側面に位置する金属板(フロントプレート)を取り外し、再度しっかりとシリンダーを固定することによって、空回りが解消されることがあるでしょう。
鍵が折れた
解錠、または施錠時に鍵が折れた場合、鍵穴に折れた先の部分が残っていることがあります。これを取り除くことは非常に難しく、自分で対処すると大きな故障に繋がる恐れがあります。
鍵の専門業者に依頼し、適切な処置をしてもらいましょう。
一般的に、ギザ鍵と呼ばれる鍵の側面がギザギザしている鍵は、他の鍵よりも折れやすいと言われています。ギザギザした部分が複数あることにより、鍵の幅が細くなり、その部分に負荷がかかると折れやすくなるのです。
鍵の平面部分にくぼみがあるタイプのディンプルキーは、その構造上、脆弱な箇所が少なく、折損のリスクが低いという利点があります。
折れた先の鍵が少しでも鍵穴から出ているのであれば、ペンチなどを利用して自分で取り出すことができるかもしれません。折れた鍵の状況にもよるため、慎重に対応することが必要です。
鍵が折れる原因は、鍵の劣化のみでなく、鍵穴に原因がある可能性もあります。
自分で鍵を取り付けた場合でも、鍵穴に問題がないかをプロに点検してもらうと、より安心できるでしょう。
鍵が壊れたときの対処としてやってはいけないこと
鍵が壊れたときは、誰もが焦ってしまいます。
特に早朝や深夜など、助けを呼びにくい時間帯は、家への出入りができなくなると不安が増すでしょう。しかし、鍵を無理に開けようとすると、事態が悪化する場合があります。
この章では、急な鍵の故障時にやってはいけない対処法を解説します。
無理やり鍵を回す
鍵が回りにくいと感じたら、無理やり鍵を回すことは避けましょう。
不具合がある状態で無理に鍵を回すと、鍵や鍵穴の破損に繋がる恐れがあります。
また日頃、乱暴に鍵を回したり、抜き差ししたりしていると鍵の劣化につながります。家の出入りは忙しい時間帯に行うことも多いものですが、丁寧に鍵を取り扱うことを心がけると良いでしょう。
鍵を操作する際に異変を感じたら、早めの点検やメンテナンスを行い、鍵のトラブルを未然に防ぎましょう。
鍵穴に食用油や鍵用以外の潤滑剤を使う
鍵の抜き差しがしづらい時、油を使うと滑りが良くなる気がする人は多いのではないでしょうか。
油を使用する方法は間違いではありませんが、誤った油の使用は鍵穴に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、家のキッチンに常備してある食用油や、他の用途の潤滑油を鍵穴に流し込むと、油にゴミやホコリが付着し、逆に鍵の動きを悪化させることがあります。
必ず専用の潤滑油を使用し、トラブルの悪化を防ぐようにしましょう。
正しいケアを行い、潤滑効果を高めることは、鍵の寿命の向上にもつながります。
鍵穴に異物をさし込む
鍵穴の内部に入っているものを除去する際、異物を差し込む行為は非常に危険です。
形状が細い爪楊枝や針金は身近にあるため、容易に差し込みたくなる気持ちになりますが、これは事態を悪化させてしまう不適切な対処方法の一例です。
異物を鍵穴にさし込むと、穴内部が損傷したり、折れた爪楊枝などが内部に残ったりする可能性があります。
鍵穴が損傷した場合、現行の鍵の使用ができなくなるため、シリンダー全体の交換が必要になる可能性があります。
修理費用が余分にかかることもあるため、鍵穴に異物を差し込むことは避けるべき対処方法です。
鍵修理・鍵開け・鍵交換の費用相場
自分で対処できない鍵のトラブルが起きた場合、鍵の専門業者に修理や開錠を依頼しましょう。
ここでは、鍵の修理や開錠、交換に関するおおよその費用についてご紹介します。下の表を参考にしてみてください。
鍵の修理や交換費用には、作業費の他、部品代、出張費用、見積もり料金がかかる場合があります。
業者によっては、早朝や深夜の作業に時間外費用がかかる場合もあるようです。
しかし、自分で無理な開錠を試みて症状が悪化すると、修理費が上がってしまう原因になるため、注意しましょう。
事前に信頼できる業者を見つけておくことで、緊急時でもスムーズに連絡を取ることができます。
少しでも不安がある場合はプロに任せると安心です。
賃貸の場合の費用負担について
劣化による鍵や鍵穴の不具合にかかる費用については、基本的に貸主の負担になります。
しかし、入居時や紛失時の鍵交換や、鍵を壊してしまった場合は借主の負担になることが多いようです。
マンションやアパートなどの集合住宅に賃貸契約で住んでいる場合、鍵の所有者は管理会社や大家さんです。
賃貸契約書を確認し、鍵に関連する費用負担がどちらに帰属するのかを把握しておくと良いでしょう。
入居時に受け取った鍵の紛失や故障は、必ず所有者への連絡が必要です。
スペアキーがあるからと黙っていることは、信用問題に関わるため、鍵の紛失や何らかの不具合が発生した場合は、早めに管理会社や大家さんに伝えましょう。
まとめ
鍵は建物へのアクセスに欠かせないため、トラブルが発生すると焦りを感じてしまうものです。鍵に違和感を感じたら、早めに対処をして、症状の悪化やさらなるトラブルの発生を防ぎましょう。
また、古い鍵ではセキュリティが不十分なこともあるため、場合によっては鍵のアップデートを検討してもよいかもしれません。新しい技術を取り入れた鍵を設置すると、セキュリティの強化につながります。
自宅で安心して生活するため、この機会に鍵の点検をしてみてはいかがでしょうか。
執筆年月日:2024年9月