年賀状じまいとは?書き方や文例を紹介
生活環境の変化や日々の中で考え方が変わるにつれて、「年賀状を続けるのが難しくなってきた」「年賀状をそろそろ辞めようかな」と感じたことがあるかもしれません。 年賀状のやりとりの辞退を伝える「年賀状じまい」をご存じでしょうか。
この記事では、年賀状じまいについて詳しく解説するとともに、状況や相手に応じた年賀状じまいの文例を紹介します。
年賀状じまいとは
年賀状じまいとは、年賀状を送り合っている相手に対して、今後の年賀状は辞退する旨を伝える最後の年賀状を指します。
年賀状じまいでは、これまでの年賀状のやりとりに感謝するとともに、年賀状を終える意思を丁寧に伝えます。
年賀状じまいをするタイミングは人それぞれ異なり、明確なルールはありません。一般的には、年齢を重ねるにつれて年賀状の作成を困難と感じる方や、「終活」により身辺の整理を行っている方が、年賀状じまいを検討するケースが多いようです。
近年はスマートフォンやパソコンが普及し、SNSなどで気軽に連絡が取り合えることから、若者の年賀状離れが進んでいます。また、郵便料金の料金見直しも、年賀状離れを加速させる一因となっています。
喪中で年賀状を出せなかった場合は、松の内を過ぎた1月7日以降に送る寒中見舞いで年賀状じまいを伝えても問題ありません。
年賀状じまいの書き方
年賀状じまいは、これまで続けてきた年賀状での交流を終えるものであり、付き合い自体を辞めることではありません。しかし、相手によっては「関係そのものを断ちたいのだろうか」と誤解されることもあります。今後も良い関係性を維持するためには、年賀状じまいでの言葉選びには十分な配慮が必要です。
ここでは、相手に不快感を与えない年賀状じまいの文章を書くため、いくつかのポイントをお伝えします。
お祝いの言葉
年賀状で年賀状じまいを伝える場合、まずは新年を祝う言葉から書き始めることが大切です。年賀状の文頭から「年賀状じまいをします」と唐突に書いてしまうと、相手が不快に感じる可能性があります。
年賀状は、あくまでも新年の挨拶と日頃の感謝を伝える挨拶状です。年賀状じまいを伝えることが目的とならないよう、お祝いの言葉を丁寧に伝えてください。
寒中見舞いなど、年賀状以外のお便りで年賀状じまいを伝える際は、定型的な挨拶や近況の報告などから書き始めると良いでしょう。
断りの理由
「年賀状じまいをします」と一方的に宣言するだけでは、相手が突然のことに戸惑い、これからの関係に影響を与える可能性があります。相手を安心させるためにも、断りの理由は必ず記載しましょう。
年齢を重ねたことによる意識の変化やライフスタイルの変化など、年賀状じまいをする理由を簡潔に説明します。ただし、「手間がかかるため」「時間や費用の節約のため」といった自分都合の理由は、受け取る側に良い印象を与えません。受け取る側の気持ちに寄り添った文面を心がけてください。
辞退の言葉
年賀状じまいには、「今後はすべての方と年賀状を送り合うことを終わりにいたします」という意志を明確に書きましょう。「みなさま」や「どなたさま」といった全員に呼びかける言葉を用いることで、特定の相手に対するものではなく、全体に向けた年賀状じまいであることを示せます。
相手の心情を考えることは大切です。しかし、曖昧な表現では、年賀状じまいの意思が伝わらない可能性があります。理由をきちんと書き、そのうえで辞退の言葉を明確に記しましょう。
結びの言葉
結びの言葉では、相手の幸せや健康を願う気持ちとともに、終了するのは年賀状の交換のみであり、お付き合いはこれからも続けたいという気持ちを伝えます。今後も関係を続けたいという意思表示として、電話番号やメールアドレス、SNSのアカウントなど、代替となる連絡手段を記載すると良いでしょう。複数の手段を提示し、相手に選んでもらうのも良い方法です。
年賀状じまいは、近年広がりつつある習慣です。しかし、配慮の足りない文面では、誤解を招きかねません。関係を終わらせるわけではないということを、明確に伝えましょう。
年賀状じまいの文例
年賀状じまいは、相手を傷つけないよう、感謝の気持ちを丁寧に伝え、年賀状じまいをする理由を明確に伝えることが理想的です。
ここでは、相手との関係や状況を考慮した年賀状じまいの文例をいくつか紹介します。
終活年賀状の文例
【文例1】
あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
私も◯歳を迎え「終活」を意識する年齢となりました
この節目にあたり 毎年の年賀状は本年をもちまして
どなたさまにも失礼させていただくことにいたしました
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます
今後は電話やメールなどでご連絡させていただければ幸いです
みなさまのご健康とご多幸を心よりお祈りいたします
【文例2】
あけましておめでとうございます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
私も年齢を重ね 身の回りを整理することにいたしました
誠に勝手ではございますが これを機にみなさまとの年賀状のやりとりは
今年限りで終了させていただきたく存じます
長きにわたり温かい年賀状をいただき 深く感謝しております
今後は電話やメールなどでご交流いただければ幸いです
みなさまにとって素晴らしい一年となりますよう 心よりお祈り申し上げます
定年時の年賀状じまいの文例
【文例1】
あけましておめでとうございます
日頃よりお世話になり 心より感謝申し上げます
私事で大変恐縮ですが 永きにわたり勤めた職場を定年退職することとなりました
これを機に 年賀状じまいをさせていただくことにいたしました
勝手ではございますが どうかご理解賜りますようお願い申し上げます
来年以降はSNSを通して新年のご挨拶をさせていただければと思います
SNSのIDは以下です
〇〇〇〇〇
みなさまのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます
【文例2】
あけましておめでとうございます
旧年中はお世話になりました
ありがとうございました
私事ですが昨年無事に定年を迎えました
人生の節目ということで みなさまとの年賀状による新年のご挨拶は
本年限りで終了とさせていただきます
年賀状は今年で最後となりますが 今後ともどうぞよろしくお願いいたします
若者世代の年賀状じまいの文例
若者世代も年賀状じまいが広がり、新年の挨拶はメールやSNSに移行する人が増えています。若者世代が年賀状じまいをする場合の文例を紹介します。
知人あて
【文例1】
あけましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願いいたします
近年はがきでのご挨拶を控える方が増えております
それに倣い 私も年賀状でのご挨拶を失礼させていただくことにいたしました
今後のご挨拶はメールやSNSに代えさせていただきます
本年も何卒よろしくお願い申し上げます
【文例2】
あけましておめでとうございます
昨年は大変お世話になりました
最近はLINEでやりとりをする機会が多いこともあり
みなさまへの年賀状は本年をもちまして控えさせていただきます
今後は新年の挨拶もLINEに代えさせていただきたく思います
本年も変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします
※「LINE」はLINEヤフー株式会社の商標または登録商標です。
友達あて
【文例1】
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いいたします
誠に勝手ながら 昨今の連絡手段の多様化にともない
本年をもって年賀状を卒業することにいたしました
今後はLINEなどSNSでお付き合いいただければと思います
私のLINEアカウントは下記です
〇〇〇〇〇
新しい年が幸せと健康に満ちた一年となりますよう
心よりお祈り申し上げます
【文例2】
あけましておめでとうございます
昨年は大変お世話になりました
本年もどうぞよろしくお願いいたします
突然のご連絡で恐縮ですが 家族と相談の結果
年賀状でのご挨拶は来年より失礼させていただくことにいたしました
これまで心温まる年賀状をいただき ありがとうございました
今後はSNSなどにて年始の挨拶をさせていただきます
引き続きどうぞよろしくお願いいたします
法人の年賀状じまいの文例
【文例1】
あけましておめでとうございます
貴社ますますご健勝の事とお慶び申し上げます
弊社ではデジタル環境への移行を鑑み
年賀状でのご挨拶は差し控えさせていただくことといたしました
誠に勝手ではございますが 何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます
今後はお電話もしくはメールにてご挨拶をさせていただければ幸いです
末筆ではございますが
これからも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます
【文例2】
新年あけましておめでとうございます
平素より格別のご厚情を賜り 厚く御礼申し上げます
さてこの度弊社では業務効率化と環境負荷軽減の観点から
すべてのお取引様に対して年賀状によるご挨拶は控えさせていただくことになりました
今後はメールにて新年のご挨拶させていただきます
何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます
貴社のさらなるご繁栄とみなさまのご健勝を祈念いたしますとともに
本年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
まとめ
年賀状じまいは、あくまでも年賀状のやりとりを辞めることであり、大切な方との交流を断つものではありません。
年賀状じまいを行う際には、これまでの感謝の気持ちを伝えるとともに、今後も良好な関係を続けたいという内容の文面にすると、相手にも誤解なく伝わるでしょう。
執筆年月日:2024年10月