法定点検とは?車検との違いや実施方法を解説

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法定点検とは?車検との違いや実施方法を解説

「車検」という言葉は広く知られていますが「法定点検」については、あまり知られていないかもしれません。しかし法定点検は安全で快適なカーライフを送るために欠かせないものです。

本記事では、法定点検の目的や実施時期、費用、自分でできる範囲、怠った場合のリスクについて、わかりやすく解説します。

自動車の法定点検とは?

自動車の法定点検の目的や点検項目、車検との違いについて知っておきましょう。

法定点検の定義と目的

自動車の法定点検は、「道路運送車両法」によって、車の使用者に義務付けられています。法定点検の目的は、日常点検で見逃されやすい不具合の発見と、故障や事故の予防です。

法律で定められている点検項目

自家用車(普通車・軽自動車)の場合、12カ月点検で29項目、24カ月点検では60項目が定められています。

法定12ヵ月点検は、車両の安全性の確保と早期不具合の発見を目的とした項目が実施されます。法定24ヵ月点検は、12ヵ月点検の内容に加えて、さらに詳細な点検を追加で実施します。なお、24カ月点検は、車検と同時に行われることが一般的です。

参考:点検整備の種類|国土交通省

車検との違い

法定点検と車検は混同されがちですが、役割が異なります。

車検は、現時点で公道を安全に走行できるかという「適合性」を検査します。法定点検は、故障やトラブルの発生を予測し、未然に防ぐ目的で実施する整備です。

項目

法定点検

車検

法的義務

義務(道路運送車両法 第48条)

義務(道路運送車両法 第62条など)

罰則

原則なし(ただし事業用車は罰則あり)

受けなければ公道走行不可・罰則あり

目的

日常使用での安全性維持・故障予防

保安基準に適合しているかの確認

内容

各部の点検・整備(ブレーキ、ベルト類、バッテリーなど)

車両検査(外観・排ガス・ブレーキ性能など)

実施者

使用者の責任(整備工場または自分で)

国の指定検査機関・ディーラー・整備工場など

頻度

自家用車:12ヶ月ごと(24ヶ月は車検と同時)

新車は3年後、以降は2年ごと(車種により異なる)

証明書の発行

点検整備記録簿に記録される

車検証・検査標章(ステッカー)が交付される

受けないと?

事故時に整備義務違反とみなされる恐れ

車検切れの車は公道走行不可、罰則あり

法定点検は、法的な義務である一方で、点検をしなかったことに対して罰則がありません。努力義務の意味合いが強い義務ですが、事故を起こした際、民事・刑事上の責任リスクを問われるので、定期的に点検すべきと言えます。

参考:点検整備の必要性・重要性|国土交通省
参考:道路運送車両法 第48条・第62条|e-GOV 法令検索

法定点検はいつ受けるべき?

法定点検のタイミングは、法律で定められていますが、他にも留意する点があります。

点検の頻度とスケジュール

自家用車は12カ月点検と24カ月点検が基本です。多くの場合、点検時期が近づくと整備工場やディーラーから案内があります。

走行距離と点検の関係

走行距離が長い場合、法定点検の周期では不十分な場合もあります。

国土交通省では、特種な構造・装置の自動車や、走行距離が多いなど使用の状況が厳しい場合は、使用状況を考慮した点検が必要とガイドラインに示しています。

SUBARUは独自に、定期点検整備は、おおよそ舗装道路を年間10,000km程度走行している自動車を一般的な使われ方と想定し、年間20,000km以上の走行するなど、過酷な使用状況では、より短い間隔での点検が必要と説明しています。

※「SUBARU」は、株式会社SUBARUの登録商標です。

車種や利用状態による法定点検の違い

マイカーや商用車など、車種や用途によって、法定点検の内容が異なります。

対象となる自動車の例

定期点検の時期

点検項目数

マイカー
(自家用乗用車、軽自動車)

1年ごと

29

2年ごと

60

バス、トラック、タクシー(事業用)
大型トラック(自家用)
レンタカー(乗用車以外)

3ヶ月ごと

51

12ヶ月ごと

101

季節ごとの点検の重要性

夏と冬とでは、気温や湿度など気候が大きく変化し、車のコンディションに影響するため、トラブルを避けるためには事前の点検が欠かせません。

バッテリーの状態、エアコンの性能、冷却水の濃度や量、タイヤの空気圧、ウォッシャー液の量などは、本格的な夏や冬が来る前に点検が必要です。

 新車と中古車の点検タイミング

新車・中古車ともに、法定点検は12カ月に1度実施することが法律で定められています。なお、販売されている中古車は、法定整備込み・法定整備別・法定整備無しに分類できます。

  • 法定整備込み:納車までに12カ月点検を実施し、整備費用が車両本体価格に含まれる
  • 法定整備別:納車前に12カ月点検を原則実施するが整備費用は車両本体価格に含まれない
  • 法定整備無し:現状販売車両と呼ばれ、納車前の法定点検が推奨される

法定点検はどこで受けられる?

法定点検は、国の認定を受けた整備工場であればどこでも受けられます。主にディーラー、カー用品店、そして地域の整備工場などが対応しています。

ディーラーでの点検

ディーラーでは、対象メーカーに詳しい整備士が在籍しており、専用の診断機器や純正部品を用いた高精度な点検が行われます。

購入や保証も連携しやすく、定期的な点検通知やアフターサービスも充実している点が特徴です。一方で、費用はやや高めに設定されており、予約が取りづらいこともあります。

カー用品店・整備工場での点検

カー用品店や地域の整備工場では、オイル交換などを含めたセットプランが用意されていることも多く、比較的リーズナブルな価格で点検を受けられます。

ただし、整備技術やサービスの質には差がある場合も多いため、事前に口コミや評判を確認しておくと安心です。

点検にかかる時間の目安

一般的に、12カ月点検より、24カ月点検のほうが長く、時間がかかります。目安の時間は以下の通りです。

  • 12カ月点検:通常1時間〜1日
  • 24カ月点検(車検と同時):半日〜2、3日程度

ただし、点検中に不具合が見つかった場合は、追加整備が必要です。所要時間が延びることもあります。その場合には、点検業者から、追加整備の内容と整備に必要な時間について連絡があるはずです。

費用を安く抑える方法

費用を抑えるには、まずディーラーのメンテナンスパックに加入する方法があります。内容は店舗によって異なりますが、「5年間の点検整備費用が無料」といった特典が付くこともあります。

さらに費用を抑えたい場合は、複数の店舗で見積もりを取るのがおすすめです。見積もりの内容を確認し、不要な整備や清掃・洗車などのサービスを断ることで、必要最低限の費用に抑えることが可能です。

また、日常的な点検や日頃の丁寧な運転を心がけることで、結果的に修理費の削減につながります。

法定点検は自分でも可能?

「法定点検」で目視で確認できる項目は、日常的に自分で行うことを推奨しています。しかし、個人がすべてを点検するのは難しく、12ヵ月点検と24ヵ月点検は専門業者に依頼することが望ましいでしょう。

自分でできる点検項目とは

法定点検のうち以下の項目は、ドライバー自身が日常的に確認できます。

【エンジンルームの点検】

  1. ウインド・ウォッシャ液
  2. ブレーキ液
  3. バッテリー液
  4. 冷却水
  5. エンジンオイル

【車まわりの点検】

  1. タイヤの空気圧
  2. タイヤの亀裂、損傷・異状な摩耗
  3. タイヤの溝の深さ
  4. ランプ類の点灯、点滅およびレンズの汚れ、損傷

【運転席での点検】

  1. ブレーキ・ペダルの踏みしろおよびブレーキの利き
  2. パーキング・ブレーキ・レバーの引きしろ
  3. ウインド・ウォッシャの噴射状態
  4. ワイパの拭き取りの状態
  5. エンジンのかかり具合および異音
  6. エンジンの低速および加速の状態

これらの項目は「日常点検」として法律でも推奨されており、取扱説明書に手順が掲載されています。

法定点検を専門業者に依頼するメリット

道路運送車両法 第48条には、自動車の点検には国土交通省令で定める技術上の基準が必要だとされています。整備士などの資格を持つプロに任せれば、技術上の基準を持っていると保証されます。

また、法定点検には目視以外の項目もあります。それらの項目の多くには、専門的な知識・技術が必要です。

とくに、ブレーキやサスペンション、ステアリングなどの部品は車の安全性に直結し、誤った判断は重大な事故を招くおそれがあります。また、現代の車は電子制御が進んでおり、センサーやコンピューターの異常は目視では確認できません。

安全にカーライフを送るためには、プロによる手助けも必要です。自己点検では、網羅しきれない部分は、専門の知識と道具を持っている認定工場や整備士に点検を任せましょう。

法定点検をしないとどうなる?

法定点検は法律で定められた義務ですが、点検をしない場合はどのような影響があるのでしょうか?ここでは、ペナルティやリスクについてポイント別に解説します。

法律上のペナルティについて

車検と異なり、法定点検を実施しなかったこと自体に罰則が科されることは基本的にありませんただし、点検の記録を残すことは、法律によって求められています。

車両故障のリスクと影響

法定点検を怠ると、トラブルの危険性が高まります。小さな異常を見逃した結果、重大事故につながる可能性もあります。また、点検を行わないと、エンジンの効率が徐々に落ちて、必要以上にエネルギーを消費する可能性も高くなります。

小さな不具合を放置して修理を必要とする大きな故障になることも多いものです。点検費用を倹約したつもりが、結局は余計な出費を招くような事態は避けるべきでしょう。

保険への影響はあるか?

法定点検を受けていないことで保険の適用外になるケースは稀ですが、点検不足が事故の原因とされた場合には「重大な過失」と判断され、保険金の支払いに影響することがあります

また、事故後に車両保険を使って修理を依頼した際、故障箇所が事故と無関係な経年劣化と判断されると、保険が適用されないこともあります法定点検を適切に実施することは、結果的に自分を守ることにつながります。

点検不足による長期的デメリット

法定点検を継続的に怠ると、車の資産価値や経済性にも悪影響を及ぼします。たとえば、小さな部品の異常を放置したことで、より高額な部品が破損し、多額の修理費用がかかるというケースです。

また、日頃の整備状況は、下取りや売却の時の査定額に影響します。中古車市場では「整備履歴の明確さ」が信頼の指標とされ、整備記録簿の有無は査定額に大きく影響します。点検を「後回し」にすると、安全や資産価値を損ねる結果になりかねません。

法定点検は、単なる義務ではなく、大切な愛車と安心なカーライフを守るための投資です。

まとめ

自動車の「法定点検」について、定義や車検との違い、点検を受けるタイミングや場所、怠った場合のデメリットまでを解説しました。

法定点検は、法律で定められた車の定期的な健康診断です。普段見落としがちな車の異常を発見し、事故を未然に防ぐために大切な役割があります。

法定点検を受けないこと自体に直接的な罰則はありません。しかし、安全で長く快適なカーライフを送るには、法定点検は欠かせません。大切な愛車と安心なカーライフを守るために、法定点検を上手に利用しましょう。

執筆年月日:2025年6月
※内容は2025年6月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。

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