自筆証書遺言とは?
~有効な遺言書にするための要件と注意点~
今すぐメールで問い合わせる→

弁護士が解説する「自筆証書遺言」とは?
遺言書の中でも、もっとも手軽に作れるのが自筆証書遺言。
しかし、一定の要件を満たしていなければ、法的効力がなくなってしまうことも。
注意点などについて、詳しく解説します。

対応エリア:福岡県

詳しくは、こちらからお問い合わせください。 今すぐメールで問い合わせる→

Q&A

読了時間の目安:5分

自筆証書遺言に必要な要件とは?

自分の財産を、誰にどれくらいずつ分けるのかや、相続人に対する想いなど、あらかじめ自分の意思を書いて残しておくのが、遺言書です。ただ、遺言を法的に有効なものにするには、一定の形式のもと、内容に不備がないようにしておく必要があります。

そうした遺言書の種類には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言などいくつかありますが、もっとも手軽に作れるのが、自筆証書遺言です。「自筆」という名の通り、全文を自書(自分で書くこと)します。紙とペンがあれば作成できるので、遺言書の作成に費用をかけたくない場合はこの自筆証書遺言ということになるでしょう。

ただし、法的な効力を持たせるためには、一定のきまりを守る必要がありますので、おもなものをご紹介します。

◎本人が自書する

本人が手書きすることを前提としていますから、代筆されたものや、パソコンやワープロを使って書いたものは無効です。ただ、本人が手書きしたものということを証明する方法がないため、もし疑わしいとされた場合には、筆跡鑑定をする必要が出てきます。

◎日付を記載する

「平成27年6月10日」のように、年月日をすべて書く必要があり、「6月吉日」「10月」などと書いてあるものは無効です。生前に内容を書きなおした場合など、遺言書が複数見つかることがありますが、その場合には最新の日付のものが有効とされるため、日付が重要になってくるのです。また、病気で亡くなった場合など、正常な判断能力がある時期に書かれたものかどうかを判断する手がかりにもなります。

◎署名、押印をする

自分の名前を書き、印鑑を押します。印鑑は、実印でなくともかまいません。署名があっても押印を忘れてしまうケースは多く、いざ遺言書を開けてみたら印鑑がなかった……という場合、残念ながら法的な効力はないものとされ、基本的には無効となってしまいます。

もちろん、もし上記のような不備があり、法的拘束力はなくなってしまったとしても、相続人同士でその内容に納得がいくのであれば、遺産分割協議で遺言のとおりに分けることは可能です。しかし、「無効なのだから従う必要はない」という相続人が一人でもいれば、一から協議を進めていかなければならないでしょう。

できるだけ弁護士などに問い合わせて、不備のない遺言書を作成しましょう今すぐメールで問い合わせる→

自筆証書遺言で、要件以外の注意点は?

形式は正しくても、内容自体に不備やあいまいな点がある場合は、せっかくの遺言がムダになってしまうこともあります。

たとえば、「すべての財産を妻だけに相続する」と書いてあっても、実際には他の相続人にも遺留分(最低限の取り分)が認められているため、全額そのままを相続することはできないことも考えられます。また、相続する土地についての記載が登記簿と異なる場合なども、相続が円滑に進まなくなるケースです。

また、自筆証書遺言は、作った本人以外その存在を知りません。ですから、自分の死後、必ず見つかるような場所に置いておくか、その場所を知らせる方法を考えておく必要があります。もし、誰にも遺言書を見つけてもらえなければ、作っていないのと同じことです。これを防ぐには、「遺言執行者」を決め、その人にだけは遺言書の存在を知らせておくようにするとよいでしょう。遺言執行者は誰でもかまいませんが、遺言書の作成を相談した弁護士など、第三者を指定することもできます。

また、これは相続人側の注意点ですが、自筆証書遺言は、家庭裁判所での「検認」を受けなければ開封してはいけません。もし勝手に開封してしまった場合には、開封した人が5万円以下の過料に処せられますので注意が必要です(遺言自体は無効にはなりません)。

なお、本記事では自筆証書遺言のご説明が中心となりましたが、公証役場で公証人が作成する「公正証書遺言」なら、紛失や改ざん、内容の不備などの心配がなく、裁判所の検認も必要ありません。もしこれから遺言書の作成をお考えでしたら、ぜひ公正証書遺言での作成も検討してみてください。

自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらもメリットとデメリットがありますので、まずは弁護士にお問い合わせください今すぐメールで問い合わせる→

遺言書はいつ作ればよい?

自筆証書遺言にしろ公正証書遺言にしろ、ご自身が亡くなった後、相続でトラブルになりそうだという心配があるなら、遺言書は作っておくべきでしょう。たとえば、相続人が多いときや、何年も連絡をとりあっていない相続人がいるとき、再婚で初婚時の子がいるときなど、利害関係が複雑になると予見される場合は、争いを避けるために必須です。

相続人が多いと、それだけでトラブルのリスクが高くなります。相続人が2人なら、話し合いでまとまる話も、10人いれば、10人分の主張をまとめるのは相当難しいでしょう。遺産分割協議で話がつかなければ、家庭裁判所での遺産分割調停、それでもだめなら審判、というように、手間や時間がかかるうえ、そのための費用もバカになりません。

ただ、遺言書を作りましょうといっても、まだまだネガティブなイメージを持たれる方も少なくありません。「遺言書を書くなんて死ぬみたいで縁起が悪い」とか、「子どもたちを信用していないみたいで嫌だ」といったように、遺言書を作成したがらない方もいらっしゃいます。また、病気で療養中といった場合、相続の話自体がしにくいいですし、病気によって正常な判断能力が失われていれば、遺言書の作成自体ができないことも考えられます。

ですから遺言書は、健康で元気なうちにできるだけ早く作成しておくことを強くおすすめします。

弁護士などに話を聞きながら、健康なうちに遺言書を作成することをおすすめします今すぐメールで問い合わせる→

執筆者:秋月 愼一

執筆者顔写真
在籍事務所 西日本法律事務所
事務所所在地 〒803-0817 福岡県北九州市小倉北区田町11-18 第2小池ビル5F
対応資格 弁護士※事務所在籍者の保有資格

→ その他の相続に強い専門家を探す